●こんなお話
漁業で生活する家族で唯一耳が聞こえる娘さんが歌の才能を伸ばすために大学行くか家族の手伝いするかで悩む話。
●感想
海で行業を営む主人公一家。娘が歌を歌いながら仕事をしている。港について安く買われる魚に困っている主人公一家たち。ここで娘以外のお父さんと兄が聾唖で娘が通訳をしていることが紹介される。
学校で気になる男の子が合唱部に入ったことを知って自分も合唱部に入る。けど家族の前では歌えるけど人前では歌えない。自分の発音がおかしいとバカにされたことがきっかけで人前で話すのも辛い様子。けれども音楽教師は主人公の才能に気付いて、個別でレッスンを受けさせて音楽大学へ進学しないかと話す。けれども主人公の家計は大変で、しかも漁業のほうで中抜きが酷いので自分たちで直接お客さんに魚を卸すと宣言してしまった手前、自分で起業することに。その手伝いで主人公は家族の通訳として忙しい。そのためレッスンに遅刻したりして両立が大変でクタクタになっていく。
そこで主人公がいないと仕事がやっていけない家族と自分がしたい歌の勉強というはざまで悩むという。どちらも言っていること思っていることが理解共感できるものなので、主人公と共に苦悩しもだえることができました。しかも家族のやりとりそれがコメデイなので見やすいつくりでした。
家族と喧嘩して漁に出なかったら、そのタイミングで監視員という新しい仕組みのタイミングで聾唖と言うことで漁業は危険と断定されて漁ができない事件が発生したり。仕方ないので、娘さんは大学進学をあきらめて家族の手伝いをすることを宣言。けれどもお兄さんは妹が本当にやりたいことをやらないのにイライラしたり。このお兄さんの悩みの描き方も素晴らしくて、対立したあとに2人で話す場面とかはよかったです。「お前が生まれるまでは上手くいっていた」と話す姿が印象に残りました。
そして秋の発表会で家族が見守る中での合唱。結構長いこと無音になって父親が周囲のリアクションを見て娘の歌声の意味を知るというシーンも素晴らしかったです。帰宅後、父と娘が2人で夜空を見上げながら、喉を抑えて聞くというのも新鮮でした。
大学進学をあきらめてた主人公が家族に起こされると車で大学進学の試験へ向かうことになって、いよいよ歌の試験。家族もこっそり見守る中、主人公は…という。
ただ主人公が産まれる17年前までは家族はどうやって漁業をして、周りの人たちとコミュニケーションをとっていたのだろうか? おじいちゃんやおばあちゃんたちが対応していたのか気になりました。それくらい娘さんに頼りきりの家族でした。
家族のやりとりも楽しいし、悩みも全員に共感できるし、歌も手話も漁業も当たり前に行う主事の句もよくて、そりゃ家族で抱き合ってお別れするというのは安定の感動作でよかったです。
☆☆☆☆
鑑賞日:2022/02/09 TOHOシネマズ日比谷
監督 | シアン・ヘダー |
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脚本 | シアン・ヘダー |
原作映画「エール!」監督 | エリック・ラルティゴ |
原作映画「エール!」脚本 | ヴィクトリア・ベドス |
スタニスラス・カレ・ド・マルベール | |
エリック・ラルティゴ | |
トーマス・ビドゲイン |
出演 | エミリア・ジョーンズ |
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フェルディア・ウォルシュ=ピーロ | |
マーリー・マトリン | |
トロイ・コッツァー | |
ダニエル・デュラント | |
エイミー・フォーサイス |