映画【孫文の義士団】感想(ネタバレ):孫文と革命党の熱い絆を描く!清朝末期の壮大な革命ドラマ

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●こんなお話

 孫文が会議をするための時間稼ぎをする人たちが戦う話。

●感想

 清朝時代、民主国家の建設を目指して活動する孫文が、日本から香港に会議のために訪れることになり、刺客に狙われる危険があった。革命党の党員たちは孫文先生を守るために命をかけて守護にあたる。

 商人の男性は革命活動には参加しているものの、自分の息子だけは活動から遠ざけてアメリカの大学に行かせようとしていた。しかし清朝側の暗殺者が革命家たちが集まる劇団を襲撃し、多くが殺される惨劇が起こる。この事件をきっかけに商人は覚悟を決め、孫文を守るために凄腕の仲間たちを集め始める。背が高い強力な男や、殺された劇団の娘、さらには浮浪者の知り合いまで声をかける。息子は孫文の影武者として選ばれたが、特別扱いを嫌って参加を辞めようとしない。

 商人は人力車を引く若者の結婚を仲介したり、ギャンブル狂の男も子どもと別れて覚悟を決めて参加するなど、多様な人間模様が描かれる。

 やがて移動が始まり、時間稼ぎのために1人また1人と仲間が討ち死にしていく。影武者役の息子も刺客のボスに追い詰められ、ついには命を落としてしまい、商人は深い悲しみにくれる。孫文は会議を無事に終えて旅立ち、やがて全国で反乱が勃発し、革命は成功を収めておしまい。

 140分の映画のうち、前半の1時間は登場人物の紹介に多くの時間が割かれているため、やや退屈に感じました。豪商である父親が親友の失踪をきっかけに孫文のために動き出すシーンは、盛り上がる音楽とともに熱い展開でしたが、その後の仲間集めはあまり深みがなく、ほぼ一言程度の会話だけであっという間に仲間が決まってしまうため、仲間たちの魅力があまり伝わらなかったです。

 登場人物が多く、それぞれが少しずつ描かれてはいるが、1人1人の人物像が浅く感じられました。豪商と息子の確執や、ギャンブル狂の警官がたった一言の妻の言葉で命をかけて戦う意味が伝わりにくく。また、ホームレスとなった男が禁断の愛をして命を懸ける動機もよくわからないです。さらに、ボロボロの格好でありながら戦闘になると急に格好良い拳法家に変貌する点はやや違和感がありました。

 後半の1時間はアクションシーンが連続し、1時間にわたって防衛戦が続きます。敵が次々と襲いかかり、激しい戦いが描かれるが、仲間たちがバラバラに戦うため、もっと作戦を練って協力すれば効率的だったのではと思ってしまいました。また、戦いの連続で長く感じる部分もあったり。次々に倒れていく仲間の生没年をテロップで示す演出も効果的かは疑問が残りました。

 もっとキャラクターをじっくりと深く描き、それぞれが4億の国民のために命を賭ける強い熱意を見せてくれれば、もっと感動的で面白くなったはずと考えたり。全体としては良いテーマを扱っているが、描写の浅さや展開の速さが惜しまれる作品でした。

☆☆

鑑賞日:2011/11/22 DVD 2024/03/02 WOWOW

監督テディ・チャン 
アクション監督トン・ワイ 
出演ドニー・イェン 
レオン・ライ 
ニコラス・ツェー 
ファン・ビンビン 
ワン・シュエチー 
レオン・カーフェイ 
フー・ジュン 
エリック・ツァン 
クリス・リー 
サイモン・ヤム 
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