映画【新・座頭市物語】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　座頭市に兄を殺された侠客に狙われつつ、座頭市に「人殺しの包丁を教えた」という剣の師と再会し、師匠の妹との恋愛があり、師匠は水戸天狗党との関係で座頭市と戦うことになる話。

●感想

　90分という短さで各々の登場人物の気持ちや動機が見事に絡み合い、それぞれの気持ちがアヤやカセが機能して感情移入できる素晴らしいエンタメでした。
　座頭市を狙う兄を殺された男が、座頭市が恋に目覚めて命乞いし。その姿に丁半博奕を挑んで座頭市が負けてるのに、自分が負けた事にするというカッコよさ。その男の気持ちも座頭市もわかっている。
　剣の師匠と再会して、その妹さんと恋に落ちますが。ここでも師匠と戦わなければいけない悲劇。そして最後に座頭市が妹に言う「市はやっぱりこんな男でして……」の切なさ。

　ただ90分という短さだからか、師匠の気持ちがよくわからなくて。ただ右往左往しているだけにしか見えないのが残念でした。お金に困窮してやむにやまれず、座頭市と戦わなければいけない、とか。
　妹も座頭市と恋に落ちるのがいつの間に落ちたのかもわかりにくくて残念でした。

　悲しくてカッコいい映画でよかったです。

☆☆☆☆

鑑賞日:2013/06/19　DVD