映画【ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章】感想(ネタバレ):杜王町の異変と能力者たちを描く

JoJo's Bizarre Adventure
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●こんなお話

 超能力を持った学生さんたちが戦う話。 

●感想

 海沿いの町・杜王町。高校生の東方仗助はリーゼント頭が特徴的な不良風の少年だったが、困っている人を見過ごせない優しさを持つ青年だった。彼は「クレイジー・ダイヤモンド」というスタンド能力を持っており、壊れた物体や傷ついた人体を修復できる特殊な力を使うことができる。母・朋子と祖父の良平と共に平穏な生活を送っていた仗助だったが、町では奇妙な変死事件が続発していた。

 そんな中、仗助は転校生の広瀬康一と知り合う。気弱で平凡な高校生だった康一は、下校途中に片桐安十郎という不気味な男と遭遇する。アンジェロと呼ばれるその男は、承太郎が追っていた凶悪な連続殺人犯だった。やがて空条承太郎が杜王町に現れ、自身もスタンド使いであること、そして仗助がジョースター家の血を引く存在であることを明かす。

 アンジェロは「アクア・ネックレス」という水を自在に操るスタンドを使い、人間の体内へ侵入して内部から殺害する危険な能力を持っていた。仗助の祖父・良平もアンジェロに襲撃され命を落としてしまう。怒りに燃えた仗助はアンジェロを追跡。飲み物や水道を利用しながら攻撃を仕掛けるアンジェロに対し、仗助はクレイジー・ダイヤモンドの修復能力を駆使して対抗する。割れたガラスを元に戻してアンジェロを閉じ込め、最終的にアンジェロは岩と融合させられ「アンジェロ岩」となって杜王町に残されることになる。

 その後、康一は同級生の山岸由花子と親しくなっていく。一方の仗助は、乱暴な性格の同級生・虹村億泰と遭遇する。億泰は「ザ・ハンド」という、空間そのものを削り取る危険なスタンド能力を持っており、仗助へ襲いかかる。さらにその背後には兄・虹村形兆の存在があった。形兆は“弓と矢”を使ってスタンド使いを生み出しており、強力な能力者を探していた。

 仗助と億泰は激しいスタンドバトルを繰り広げる。億泰は粗暴ながらも情に厚い性格で、戦いの中で重傷を負った際、仗助が能力で彼を治療したことで少しずつ心を開いていく。やがて形兆が「バッド・カンパニー」という軍隊型スタンドを使って襲撃を開始。小型の兵士たちが本物の戦車やミサイルを用いて攻撃し、仗助たちは絶体絶命に追い込まれる。だが仗助は飛来するミサイルをクレイジー・ダイヤモンドで修復し、その軌道を利用して反撃。形兆を追い詰める。

 形兆は、自分たちの父親が怪物のような姿になってしまい、死ぬこともできず苦しみ続けていることを語る。そして父親を救う方法を探すため、強いスタンド使いを作り出そうとしていたのだった。しかし直後、謎のスタンドによって形兆は突然殺害されてしまう。仗助たちは新たな敵の存在を感じながらも、事件の真相には辿り着けないまま、再び学校生活の日常へ戻っていくのだった。でおしまい。


 あまりにも有名な漫画を原作にした映画なので、もっと色物的な作品なのかと思って観始めたのですが、実際はかなり真面目に作られていて逆に驚かされました。もっと無茶苦茶なテンションで押し切るタイプの実写化なのかと思いきや、世界観や人物描写をかなり丁寧に積み重ねていて、その真剣さに戸惑ってしまうタイプの映画だったと思います。

 スタンド能力の映像化は非常に楽しく、水を自在に操るアンジェロとの戦いはホラー映画のような不気味さがありましたし、後半の虹村兄弟とのバトルも能力のアイデアが面白かったです。特に「バッド・カンパニー」の小型兵士軍団との戦闘は、まるで【スモール・ソルジャーズ】のような映像になっていて、こんな能力を思いつく発想力に感心してしまいました。ミサイルを修復能力で逆利用する展開も映像映えしていて、実写ならではの迫力が出ていたと思います。

 ただ、本作はタイトルに「第一章」とある通り、かなり露骨に続編前提の構成になっているため、一本の映画として観ると消化不良感は強かったです。いろいろな謎を散りばめたまま終わってしまい、肝心の敵との決着すら“謎のスタンド”によって処理される展開には唖然としてしまいました。せっかく伊勢谷友介さん演じる承太郎や、小松菜奈さん演じる由花子など印象的なキャラクターが登場しているのに、中盤以降はかなり存在感が薄くなってしまうのも惜しかったです。

 さらに神木隆之介さん演じる康一のスタンド能力もほとんど説明されないまま終わるため、「結局あれは何だったのか」とモヤモヤが残りました。登場人物の数もかなり絞られていて、杜王町という不思議な町の広がりよりも、小規模な人間関係だけで物語が進行していく印象が強かったです。そのため“町全体に奇妙な人々が潜んでいる感覚”は薄く、世界観のスケール感はやや物足りなく感じました。

 それでも、圧倒的に有名で癖の強い原作をここまで整理して一本のエンターテインメント映画として成立させている点は素直に凄いと思いました。スタンド能力の映像化も工夫されていましたし、三池崇史監督らしいクセを抑えながら、原作の空気感を壊さないよう慎重に作られていた印象があります。続編ありきの構成には賛否あると思いますが、実写ジョジョとしてはかなり誠実な作品だったと感じました。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/06/03 Blu-ray 2026/06/04 U-NEXT

監督三池崇史 
脚本江良至 
原作荒木飛呂彦
出演山崎賢人 
神木隆之介 
小松菜奈 
岡田将生 
新田真剣佑 
観月ありさ 
國村隼 
山田孝之 
伊勢谷友介 
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