●こんなお話
ガメラによって両親を殺された少女の憎しみが生んだ怪物とガメラの戦いの話。
●感想
ガメラが暴れたせいで両親が亡くなり恨みを持つ少女が奈良県でいじめられつつ、祠で神獣を復活させる。渋谷でギャオスを追いかけてきたガメラが暴れて阿鼻叫喚の渋谷。
少女が封印を解いた生き物がでかくなって少女を取り込む。そしてその村で謎の虐殺事件が起こって1作目の主人公が調査に来る。ギャオスなのではないかという疑いを持つ。少女に話を聞きに行ってガメラに恨みを持っていることをしって、さらに政府関係者が彼女を病院から運び出す。
京都でガメラとイリスが暴れて戦ってイリスに取り込まれた少女を助けるガメラ。ギャオスが日本に向かってくる情報が入っておしまい。
今作は前2作までとは違い、ガメラ登場まで開始20分ほどといきなりの登場で上がります。そしてその初登場も渋谷駅前でのギャオスとの死闘。ここから特撮のレベルの高さに圧倒されて、人がボンボンと吹き飛ばされ焼かれていくのは見ていられない辛いシーンに仕上がっていて素晴らしいです。
ガメラが戦うと人が大勢死ぬという理由で人類の敵なのか? 何故ギャオスが大量発生しているのか? ということに迫るのと、ガメラの戦闘で両親が巻き込まれて亡くなってしまった少女がガメラ憎しの気持ちでギャオスの新型を誕生させてしまう。
人を救おうとすると人が死んでしまうという矛盾を描いた作品で素晴らしいです。ただ巫女さんや伝説のゲームクリエイターの怪演で、そこらへんが一気にオカルト感が強まり霞んで見えてしまうのが残念でいた。すごく安っぽく見えてしまうという。その立場で国の中枢まで入っているという立場なのかとか背景がわかりにくい。それでいて「やっぱり怖いぜー!」と絶叫しながら瓦礫に押しつぶされる姿はインパクト大です。
序盤のギャオスの死骸からガメラの墓場。ばっちりのツカミ。そして渋谷駅でのガメラVSギャオスの戦い。イリスがもう少し大暴れしてもらいたかったです。奈良の山奥で自動小銃とかと戦ってるだけな印象でした。ガメラが敵なのか味方なのかコロコロ変わる自衛隊の幹部たち。
身内や自分の愛する人を殺されたらガメラ憎しとなると思いますが、ガメラが人類の味方なんではないか? ということに盲目になってしまうのだろうか? と疑問に思わなくもないです。
そのためこの少女に感情移入できない作りになってしまうため、イマイチ乗り切れない物語になってしまっているのが残念でした。たった1人の少女にスポットを当てるのではなく、渋谷で殺された人たちの思いみたいなものだけでよかったと思いました。
ただ深いテーマを描こうとするチャレンジ精神と世界最高の特撮シーンが見られて面白い映画でした。
☆☆☆
鑑賞日:2013/06/30 DVD 2023/09/09 NETFLIX
監督 | 金子修介 |
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特技監督 | 樋口真嗣 |
脚本 | 伊藤和典 |
金子修介 |
出演 | 前田愛 |
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中山忍 | |
藤谷文子 | |
福沢博文 | |
大橋明 | |
山咲千里 | |
手塚とおる | |
小山優 | |
螢雪次朗 |