●こんなお話
隠し事ばかりの家族の話。
●感想
冒頭、家族の朝食の風景。けれど娘がいきなり「私ってどこで仕込まれたの?」という質問をする。そして両親はラブホテルの話をして質問に答える。
朝っぱらからこんな会話をする家族の違和感。
この家族のルールは「絶対に秘密を作らない」というものがあって、何でも話して一見すると理想な家族。
けれど出勤通学の朝のバス、家族みんなバラバラに座って無表情。ゆら~ゆら~っと揺れるカメラ。360度回転するカメラ。振り子のような映像がただでさえ感じる違和感を倍増させます。
序盤はそんな秘密を持たない掟の家族だったけど。娘と息子は学校をさぼり、父親は不倫してる。そして主人公の母親も隠し事をしていて。
過去のトラウマが描かれ、極度に自分が孤独になることを恐れている。そのため学芸会のような家族を演じることによって相手の気持ちを理解しているような気持ちになっているだけ。
映画は徐々に家族の仮面を剥がしていって、クライマックスは誕生日会から祖母の過去の話から、途中の台詞であった「思い込み」が噴き出してきて、自分の思い込みと他人の思い込みがぶつかり血の雨を降らせる。
血が降って叫びそこから家族の再生が始まる。そしてこれからこの家族はどうなっていくのだろうか? と食卓に飾られたガーデニングの一輪の花を見て考える映画で面白かったです。
☆☆☆☆
鑑賞日:2013/09/14 DVD
リンク
監督 | 豊田利晃 |
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脚本 | 豊田利晃 |
原作 | 角田光代 |
出演 | 小泉今日子 |
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