ドラマ【ゲーム・オブ・スローンズ 第六章: 冬の狂風】感想(ネタバレ):大迫力の戦闘シーンと衝撃のドラマが連続

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●こんなお話

 鉄の玉座を巡って、次から次に死人が出る全10話。

●感想

 シーズン5のラストで仲間の裏切りによって刺殺されたジョン・スノウは、〈ナイツ・ウォッチ〉の本拠地・黒の城で息絶えたままとなっていた。一方、サンサ・スタークとシオン・グレイジョイはラムジー・ボルトンの支配するウィンターフェルから命がけで脱出し、ブライエニーに救われる。さらにデナーリス・ターガリエンはドスラク族に捕らえられ、キングズランディングではサーセイ・ラニスターが娘ミアセラを失った悲しみを抱えながら、権力を握る宗教勢力〈雀聖下〉への復讐の機会を静かに待っていた。

 赤の女祭司メリサンドルは光の王の奇跡によってジョン・スノウを蘇生させる。死からよみがえったジョンは、自分を裏切った反乱の首謀者たちを処刑し、総帥の座を退任する。その後、サンサと再会したジョンは、故郷ウィンターフェルをラムジー・ボルトンから奪還するため北部諸侯へ協力を呼びかける。しかし、多くの領主は協力に消極的で、十分な兵力を集められないまま決戦へ向かうことになる。

 その頃、ブラン・スタークは三つ目の鴉のもとで過去や現在を見通す能力を学び、若き日のネッド・スタークや妹リアナ・スタークの過去を目撃する。しかし夜の王に居場所を察知され、ホワイトウォーカーの軍勢が襲来する。三つ目の鴉は命を落とし、ブランはミーラとホーダーとともに逃走する。その途中、未来と過去が交錯したことでホーダーが犠牲となり、「ホーダー」という名前に隠されていた悲しい意味が明らかになる。さらに叔父ベンジェン・スタークが現れ、ブランたちを救出する。

 エッソスではティリオン・ラニスターがミーリーンの統治を任され、反乱勢力や奴隷商人との交渉に奔走していた。捕らえられていたデナーリスはドスラク族の族長たちを炎で焼き払い、自分だけが無傷で炎の中から姿を現す。その奇跡によってドスラク族は彼女へ忠誠を誓い、デナーリスは圧倒的な軍勢を率いる存在となる。ミーリーンへ帰還した後は反乱を鎮圧し、ヴァリスの外交によってタイレル家やドーン勢力、ヤーラ・グレイジョイらとも同盟を結び、ついにウェスタロス侵攻の準備を整える。

 アリア・スタークはブレーヴォスで暗殺者集団〈顔のない者〉の修行を続けていたが、復讐心を捨てきれず任務に失敗する。追われる身となりながらも追手を倒し、「何者でもない者」として生きることを拒否してスターク家の一員として故郷へ戻る決意を固める。そしてウェスタロスへ帰還すると、赤い婚礼で家族を虐殺したウォルダー・フレイへ復讐を果たし、フレイ家へ報復する。

 鉄諸島ではベイロン・グレイジョイが弟ユーロンに殺害され、新たな王を決める選挙でユーロンが即位する。これに反発したヤーラとシオンは艦隊を率いて島を脱出し、デナーリスと手を組むことを決意する。

 キングズランディングでは雀聖下の権力がさらに拡大し、マージェリーやロラス・タイレルも拘束される。裁判への出廷を拒否したサーセイは、地下に隠されていた大量の山火事の火薬へ火を放ち、大聖堂ごと爆破する。雀聖下、マージェリー、ロラス、メイス・タイレル、ケヴァン・ラニスターら主要人物が一度に命を落とし、その惨劇に絶望した国王トメンは城から身を投げる。王位継承者を失ったサーセイは、自ら七王国の女王として鉄の玉座に座る。

 北部ではジョンとサンサがラムジー・ボルトン率いる大軍と激突する「落とし子たちの戦い」が始まる。ラムジーはジョンの弟リコン・スタークを目前で射殺し、怒りに駆られたジョンは単身で敵陣へ突撃する。圧倒的な兵力差によって追い詰められるが、戦いの終盤でサンサがピーター・ベイリッシュ率いる谷間の騎士団を率いて駆けつけ、一気に形勢が逆転する。敗北したラムジーは捕らえられ、自ら飢えさせていた猟犬に食い殺される。こうしてウィンターフェルはスターク家のもとへ戻り、ジョン・スノウは北部諸侯から「北の王」として迎えられる。

 シーズン終盤では、ブランの幻視によってジョン・スノウがネッド・スタークの私生児ではなく、リアナ・スタークとレーガー・ターガリエンの間に生まれた血筋であることが示される。そしてデナーリスは三頭のドラゴン、無垢軍団、ドスラク軍、ヤーラの艦隊、タイレル家、ドーン勢力を率いてついにウェスタロスへ向けて出航し、七王国を巡る最終決戦へ向けて動いておしまい。


 全10話を通して、毎話のように衝撃的な展開が用意されており、シリーズの中でも特に完成度の高いシーズンだったと感じました。ストーリーの面白さはもちろん、映像のスケールも圧倒的で、テレビドラマという枠を完全に超えたクオリティに何度も驚かされました。重要人物が次々と命を落としていくため、最後まで緊張感が途切れず、一瞬たりとも目が離せませんでした。

 特に「落とし子たちの戦い」はシリーズ屈指の名エピソードです。何千人もの兵士が入り乱れる戦場、馬同士が激突する迫力、兵士たちが押しつぶされそうになるほど密集した戦場の描写など、まるで戦争映画を観ているかのような臨場感がありました。長回しを多用した演出も素晴らしく、ジョン・スノウとともに戦場へ放り込まれたような没入感を味わえました。

 また、ホーダーの名前に隠されていた真実が明かされるエピソードは、このシーズンでも屈指の名場面だったと思います。何気なく見続けてきたキャラクターの人生が、過去と未来を結び付ける形で回収される展開は衝撃的であり、とても切なく胸を打たれました。

 悪役の存在感も圧巻でした。ラムジー・ボルトンやハイ・スパローは登場するたびに怒りを覚えるほど憎らしい存在として描かれており、「早く報いを受けてほしい」と強く思わせる悪役ぶりが見事でした。その分、彼らが迎える結末には大きな爽快感があり、長い積み重ねがあったからこそのカタルシスを味わえました。

 さらに、サーセイが大聖堂を爆破する一連の流れは、美しい音楽とは対照的に静かに破滅へ向かっていく演出が印象的でした。主要人物が一瞬で命を落とす大胆な展開には驚かされ、シリーズらしい容赦のなさを改めて実感しました。

 これまで積み重ねてきた伏線が次々と回収され、スターク家の反撃やデナーリスの進軍など、各勢力の物語も大きく前進します。戦闘、ドラマ、感動、衝撃のすべてが高いレベルでまとまっており、個人的にはこれまでのシリーズの中でも最も楽しめたシーズンでした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日: 2016/12/20 Blu-ray 2027/07/03 U-NEXT

原作ジョージ・R・R・マーティン
製作総指揮デヴィッド・ベニオフ
出演ピーター・ディンクレイジ
エミリア・クラーク
レナ・ヘディ
ニコライ・コスター=ワルドウ
メイジー・ウィリアムズ
ソフィー・ターナー

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