映画【キッズ・リターン】感想(ネタバレ)

kids-return
スポンサーリンク

●こんなお話

 学校から見放されていて毎日惰性に過ごしている高校生のマサルとシンジが1人はヤクザ、1人はボクシングの道に進むけど挫折していく話。

●感想

 主人公たちのわかりやすいメインストーリーに他の人物たちも描くサイドストーリーを絡ませて進んでいくわかりやすいストーリーで見やすいです。主人公たちの対比。
 青い映像に淡々と事実だけを映し出していく北野映画ですが、何でこんなに傷ついて厳しい社会なのかと見てて辛いです。それでもラストの台詞で少し希望があって胸が熱くなります。
 やりたいことが見つからずただただぼんやり過ごす毎日。そしてやっとそれぞれ目標を何となく見つけるけどそこでも挫折してまたはじかれていく。 
 主人公たちもう1人描かれる喫茶店の女性に恋をしてタクシー運転手になるヒロシの人生も悲しい。あんだけ真面目に生きてきても人生ってこんなに辛いものなんだと。そして最初から最後まで一貫している漫才師を目指す高校生たち。

 この映画の主人公たちはまるで成長しない。それでいてカッコいい成功もしないし。安藤政信さん演じるシンジなんて、最初から最後まで人に流される。最初は親友の後ろにいるだけだし、ボクシングをやったらダメな先輩に流されていく。
 ほとんどの人間には救いがない努力をしても成功しないときもあるんだというのを教えてくれる今まで見た事のない既視感がいっさいない素晴らしい青春映画でした。

 結局、オープニングと元いた場所である同じ高校のグラウンドへとリターンしてきてしまう主人公たちですが。それでもやっぱり夢を追いかけたいと信じたい映画でした。 

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2012/04/12 DVD 2013/10/06 DVD

監督北野武 
脚本北野武 
出演安藤政信 
金子賢 
石橋凌 
森本レオ 
山谷初男 
下絛正巳 
柏谷享助 
大家由祐子 
寺島進 
モロ師岡 
植田あつき 
丘みつ子 
大杉漣 
芦川誠 
日野陽仁 
平泉成 
倉崎青児 
矢部享祐 
津田寛治 
宮藤官九郎 
森下能幸 
タイトルとURLをコピーしました