映画【THE LAST MESSAGE 海猿】感想(ネタバレ):海猿シリーズの集大成!巨大施設事故と命を懸けたレスキューが描く圧巻のスペクタクル

THE LAST MESSAGE
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●こんなお話

 ガスプラント施設で事故が発生して海猿が出動する話。

●感想

 巨大な石油採掘施設での事故を描いたオープニングから、圧倒的なスケールと映像の迫力で一気に引き込まれました。炎と爆発、崩れ落ちる構造物。映像の力で、観客に現場の緊張感がビリビリと伝わってくるものでした。

 当然のように、その施設に閉じ込められた人たちを救出するため、海猿チームが出動。これまでのシリーズと同じく、命を懸けた熱いレスキュードラマが展開される。仲間とともに極限状態で力を合わせる姿は、やはりグッときます。

 ただし、今回は主人公である伊藤英明の存在感がやや薄く。彼はすでに成長しきっているキャラクターとして描かれていて、ドラマとしての見せ場が少ないと感じます。実質的な主役は、彼のバディとなる若い潜水士。最初は何もできなかった彼が、最後には「自分が全員を救うんだ」と強い決意を見せて成長する物語になっています。

 その分、伊藤英明の役割がほぼバルブを回すだけのキャラクターになってしまっていて、どうにも物足りなさを感じてしまったです。

 また、閉じ込められた人たちの中で、それぞれが過去の身の上話を語り始める展開もやや退屈に感じました。過酷な状況の中、緊迫感よりも語りが優先されていて、「今はそんなことより状況をなんとかしてくれ」と思ってしまいます。

 むしろ、救出する側に回っている時任三郎たちの方が熱いドラマを背負っていて、どうするべきか悩む指揮官としての苦悩や、人命と巨大施設という天秤に揺れる決断の重みのほうが見応えがありました。

 全体として、ストレートでわかりやすい構成の映画でした。シリーズらしい熱さは確かにあり、細かい不満はあるものの、迫力と感動を味わいたい人にはしっかり楽しめる一本でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/12/09 DVD

監督羽住英一郎 
脚本福田靖 
原作佐藤秀峰 
出演伊藤英明 
加藤あい 
佐藤隆太 
加藤雅也 
吹石一恵 
三浦翔平 
濱田岳 
香里奈 
勝村政信 
鶴見辰吾 
石黒賢 
時任三郎 
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