映画【日本沈没(1973)】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　日本沈没するまでの日本人の話。

●感想

　日本の海溝で何かとんでもないことが起きているということから始まり、学界から異端児扱いされているちょっとエキセントリックな田所博士が日本が沈没するという確信を得て政府に直訴するけど政府の御用学者は認めようとしない。この最初の深海を探索するシーンは結構静かで淡々と進んでいくのでツカミとしてはちょっと退屈でした。

　その後、丹波哲郎さん演じる総理大臣は沈没するだろうと確信して避難計画を発動させるという行動力と実行力がカッコいいです。沈没していく日本人は海外に移住するという絶望的な救出作戦を行いますが。最後に田所博士が言う「日本人はまだ4つの島でぬくぬくと育てられたまだ子供だ。海外の民族と渡り合えるのかわからない」みたいなことを言いますが。それでも「日本人を信じたい」と総理に語る。異変調査のD1計画を行い深海調査を行うチームが主人公も参加して働く。そして調査結果から日本沈没することが確定する報告をしているところに関東大震災が発生。ここの震災描写の怖さったらなくて、悲鳴と共に津波や火災にのまれていく人たち。国外退避計画を実施するD2計画も行われることに。スイスに恋人と行くことが決定したけど、富士山大噴火してヒロインが巻き込まれて消息が経ってしまい、主人公はヒロインを探す旅路へ。そして国際社会に日本人を受け入れてもらえるように交渉する。

　政財界の黒幕の渡老人が有識者たちに出させた避難計画のうちの1つは「何もしない」という考えもでてきたり。「日本人1億1千万人は日本と共に沈むべき」という考えに対して総理は「1000人でも助けたい。いや100人でも100人がダメなら1人でもいい」と涙ながらに語る姿は熱いです。

　ただ、藤岡弘さんといしだあゆみさんの恋愛パートはいらないかな?　と思いました。上司に紹介された次のシーンでもう抱き合ってしまっているという。いつの間に惚れたんだろうと思います。その後も離れ離れになって何とか再会しようと動き回られても何の感情も動かされませんでした。結婚ってなんだろう?　ということに悩んだりする小野寺。
　それに東京大地震で300万人くらい死者が出る大惨事があったのに、平和に暮らしているシーンが次に出てきたりしておかしな描写もあったりしたような気がしました。

　とはいえ、日本の大作映画で特撮を堪能できて興奮する映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/10/11　DVD 2022/01/02 Amazonプライム・ビデオ