映画【仁義なき戦い】感想(ネタバレ):名台詞と広島弁が魅力!山守組の熱い抗争と切ない人間ドラマ

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●こんなお話

 暴力で生きていく人たちの話。

●感想

 戦後間もない頃、主人公は日本刀を振り回して暴れまわる男性を射殺するシーンから物語が始まる。その後、刑務所で知り合った若杉という男性と兄弟盃を交わし、強い絆を結びます。出所後、主人公は仲間たちとともに「山守組」を結成し、賭博などの裏社会の活動開始。

 賭博場での喧嘩がきっかけで政治家を拉致し、選挙結果を操作するという行動に出ますが、そのことで相手側のヤクザと揉める。しかも山守組の仲間がそれを外に漏らしてしまったために、山守組がこの事件の黒幕であることが世間に知れ渡ってしまい。やがて山守組は揉めている土井組に狙われ、主人公は命を狙われますが、若杉が間に入ってなんとか仲裁します。

 主人公は広島に身を隠しますが、土井をやっつけるために、幹部たちが誰もやりたがらない危険な任務を自ら買って出て、土井を射殺。しかし、その後警察に捕まってしまい、若杉も隠れていましたが、警察に情報が漏れ、隠れ家に突入した警察に射殺される。

 山守組は覚醒剤の扱いを巡って内部対立が起こります。若頭は覚醒剤の使用を止めようとしますが、親分がこっそり覚醒剤で金儲けをしていることが判明し、若頭は激怒。親分はこれに対抗して若頭の子分を射殺させ、抗争が勃発するけど、若頭側が勝利する。

 主人公が出所すると、親分は彼に若頭をやってほしいと頼みますが、主人公は右も左もわからないと断ります。若頭に会いに行きますが、親分にも若頭にも与しない態度を取る。その後、若頭は親分を襲撃し、強制的に引退させて組のトップに。しかし、親分は主人公に再び若頭を引き受けるよう依頼する。

主人公が若頭を襲撃しますが逆に捕まり、若頭は「勝負はまたの機会に」と言って主人公を解放する。ところが若頭は敵対する子分の残党に襲撃されて射殺され、主人公は葬式で拳銃を乱射しておしまい。

 戦争という大きな暴力が終わり、新しい世界を生き抜くために、主人公たちは新たな暴力に頼らざるを得ない過酷な現実が描かれていました。オープニングから生き生きとした人物たちの躍動感に圧倒されました。戦後の闇市で仲の良かった若者たちが次第に殺し合いに追い込まれていく様子は、胸を打たれます。

 山守組と土居組の対立や、ヒロポンを巡る抗争の緊迫感、そして親分の頼りなさが若者たちの運命を狂わせる展開も非常に見応えがありました。広島弁の掛け合いが自然で心地よく、「あんたはわしらが担いでる神輿やないの!」などの名台詞も多数あり、作品に深みを加えています。エンディングの葬式でのシーンは感動的で、観る者の心に強く残るラストでした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2012/10/23 DVD 2024/07/20 NETFLIX

監督深作欣二 
脚本笠原和夫 
原作飯干晃一 
出演金子信雄 
木村俊恵 
松方弘樹 
菅原文太 
三上真一郎 
川地民夫 
曽根晴美 
田中邦衛 
高宮敬二 
宮城幸生 
宇崎尚韶 
渡瀬恒彦 
名和宏 
梅宮辰夫 
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