映画【クローズZERO】感想(ネタバレ):鈴蘭制覇を巡る男たちの激突と友情の物語

crowszaro
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●こんなお話

 ヤンキーが集まる鈴蘭高校で「スズランのテッペンを取る!」という戦国大名みたいな天下統一を狙う高校生たちの喧嘩の話。

●感想

 鈴蘭男子高校、通称カラスの学校は、偏差値最低レベルの不良高校として知られ、数多の不良たちが派閥を作り争い合う場所だった。これまで誰一人として全校をまとめ上げた者はおらず、三年生の芹沢多摩雄率いる芹沢軍団が最大勢力として校内に君臨していた。そんな鈴蘭に、前人未到とされる制覇を目指し、三年生の転校生・滝谷源治が現れる。

 源治は暴力団組長の息子であり、父である滝谷英夫が果たせなかった鈴蘭制覇という夢を引き継ぐため、この学校に足を踏み入れた。転校初日、抗争に巻き込まれた源治は圧倒的な喧嘩の強さを見せつけ、その姿は芹沢をはじめとする有力者たちの注目を集めることとなる。

 やがて源治は鈴蘭OBである片桐拳と出会い、助言を受けながら仲間集めを開始する。拳の後押しを受け、源治は自らの勢力「G・P・S」を結成し、芹沢軍団や伊崎瞬、三上兄弟、阪東秀人らが率いる派閥と次第に衝突を重ねていく。その過程で、源治はR&Bシンガーの逢沢ルカとも関係を深め、校内外での人間関係が複雑に絡み合っていく。

 抗争は激化し、裏切りや内部対立を経て、ついにルカの誘拐を巡って、鈴蘭の校庭で全面衝突が起こる。死力を尽くした戦いの末、源治は芹沢を打ち破り、G・P・Sは大きな勝利を手にする。しかしその裏では、暴力団組織の思惑や片桐拳が組長の命令に背いたことにより処刑されそうになる。

 そして、源治の前には伝説と称される男・リンダマンが立ちはだかる。鈴蘭制覇に意味はない問いかけるリンダマンに殴りかかって物語はおしまい。


 スタイリッシュな映像と迫力ある喧嘩シーンが印象的で、若手俳優の皆さまが放つ勢いと華やかさに強く惹きつけられました。草食系のイメージとは異なる荒々しい姿が新鮮で、画面全体からエネルギーが伝わってくる作品だったと思います。

 転校してきた組長の息子が、不良たちがひしめく環境に風穴を開けていく展開は非常に分かりやすく、物語の軸として機能していました。特に山田孝之さん演じる芹沢の存在感は抜群で、彼がいることで物語全体が引き締まり、観る側を引っ張ってくれる印象を受けました。登場人物たちが口々に頂点を目指す姿は、いつの間にか勝敗を競うスポーツのような爽快感も生み出していたと感じます。

 一方で、ヤクザ組織に関わる人物の行動理由や背景があまり描かれず、なぜその選択に至ったのかが分かりにくい点は少し惜しく思いました。また、喧嘩シーンが続く構成のため、後半に進むにつれて既視感が強まり、集中力を保つのが難しく感じる場面もありました。終盤の展開や歌唱シーンについても、物語との結びつきが弱く、やや冗長に感じられたのが正直なところです。

 学業や日常描写を期待する作品ではなく、あくまで喧嘩と勢力争いを楽しむ映画として割り切って鑑賞すると、その潔さと熱量を存分に味わえる一本だと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2014/03/31 DVD 2025/12/19 NETFLIX

監督三池崇史
脚本武藤将吾
出演小栗旬
やべきょうすけ
黒木メイサ
桐谷健太
高橋努
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