映画【ものすごくうるさくて、ありえないほど近い】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 父親が残したメッセージを探す少年の話。

●感想

 主人公は9歳の少年で、めちゃくちゃ頭の回転が速い男の子ですが。父親は憧れの存在だというのがわかります。母親に対して「ママが死んだほうがよかった」と言い放ってしまうほど父親に対して強い気持ちを持っていたのがその台詞でわかります。父親を演じるトム・ハンクスは、回想シーンに少ししか登場しませんがそれだけで見ているボクも主人公の少年と同じくらい憧れの存在として見せてくれるからさすがトム・ハンクスです。

 少年目線で話が進むので、母親に対して酷いような行動をとりますがそれは少年ゆえの行動なのだろうと察することができます。そして、クライマックスでわかる母親がしていたある行動が描写されますが。ここはなかなかの感動的なもので、母親は当然、子どもに対して思っている気持ち。ニューヨークの街を1人で歩き回る気持ち、母親だって夫をなくして辛いはずなのに。と思うと胸が熱くなりました。ここも、サンドラ・ブロックがさすがでした。

 物語は、途中から祖母の家に同居する間借り人の老人と旅をすることになりますが。これを演じるのがマックス・フォン・シドー。この人も、わがままな少年に対してとても温かい視線を送っていて素晴らしかったです。見ていれば、どうして老人が少年のことを受け止めるのかすぐにわかると思います。そんな老人に、少年はあの日に留守電に何が入っていたのかを話すと。老人は立ち去る。それほどの強烈な傷。今まで全てを受け止めてくれたのに。そんな傷を少年は抱えていると思うとこれまた辛いです。

 そして、鍵の結末。ここで、初対面の鍵の持ち主に話す父の最後のメッセージ。そして最後の母親の行動がわかる一連のくだり。少年にとって母親のより所になるのだとわかる素晴らしいサンドラ・ブロックのお芝居。そして、少年だけでなく母親も傷を乗り越えないといけない。

 130分、心の喪失と再生を描いた傑作だと思いました。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/02/18 TOHOシネマズ南大沢

監督スティーブン・ダルドリー 
脚本エリック・ロス 
原作ジョナサン・サフラン・フォア
出演トム・ハンクス 
サンドラ・ブロック 
トーマス・ホーン 
マックス・フォン・シドー 
ヴァイオラ・デイヴィス 
ジョン・グッドマン 
ジェフリー・ライト 
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