映画【許されざる者(1992)】感想(ネタバレ)

unforgiven
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●こんなお話

 老ガンマンが、賞金稼ぎのために再び銃を取るけれど…な話。

●感想

 娼婦の顔をメタメタに傷つけた牧童2人に娼婦さんたちが賞金を懸けるけど、街の保安官が拳銃を持った人間は絶対に許さなくて賞金稼ぎ全員をボッコボコにしていく。

 話は単純な展開だけど、美しい映像に見事な編集。そして単純明快な人物像ではなく、主人公の相棒以外は全員何かしら悪いことをしているという。そして何もしていない相棒に起こる理不尽。こんな映画見たことないです。何で何も悪いことしていない人間がこんなことになるのか。
 かつては悪事ばかり働いていた老ガンマン。奥さんとの出会いで改心している。狙撃が得意な相棒と近眼の若造と3人で牧童を追う。

 前半から中盤は追いかける様子の主人公たちと街の保安官の様子。この保安官が怖くて、日ごろは大工仕事をして優しい男だと思いきや、拳銃禁止なのに拳銃を持ってやってくる賞金稼ぎをボッコボコにする凶暴性。
 イギリスからやってくる賞金稼ぎもとんでもない奴で、作家と一緒に行動していて自分を大きく見せてる。けど拳銃の腕は確か。おそらく、何でも拳銃で解決していくというトンデモない人間だというのがわかります。全て暴力で解決する男。

 保安官は作家を自分につけて、彼も自分の昔話をしていく。同時に主人公が若造に伝説の話を聞きたがるが、主人公は「忘れた」と話したがらない。この対比。過去を覚えてる男と忘れた忘れたがる男。
 そして主人公たちは牧童を暗殺していく。この牧童の1人は巻き添えをくらっただけで、悪い奴ではないけど。暗殺していく。このときの主人公の相棒の取る行動。非情になれない。一方の主人公は高熱でうなされていたけど、それから快復したあとは人が変わって改心の気持ちがなくなり過去の自分に戻っている。
 ここの最初の暗殺シーンで撃ち殺す主人公側の表情で殺人のやるせなさが伝わってくる名シーンでした。

 そしてクライマックス。ある出来事で主人公に復讐の火がついてしまう。初めて人殺しをした若造に対して「殺人は過去も未来もなくすということ」。
 クライマックスの銃撃戦。ここで絶対的ピンチの保安官は銃を突きつけられても動じずに自分が間違っていない自信に満ちている。そしてクライマックスの銃撃戦はリアルで、本当に人間を撃つという難しさ。けれど主人公は伝説のガンマン、落ち着いて射撃をしていく。素晴らしい銃撃戦でした。

 テーマも見せ方も映像もキャラクターも音楽もいいしで、ほとんど完璧な西部劇だと思いました。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2013/09/09 Blu-ray

監督クリント・イーストウッド 
脚本デイヴィッド・ピープルズ 
出演クリント・イーストウッド 
ジーン・ハックマン 
モーガン・フリーマン 
リチャード・ハリス 
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