映画【タフ PART 1 誕生篇】感想(ネタバレ):陶芸殺し屋の弟子入りから始まるスタイリッシュな銃撃戦映画

tough
スポンサーリンク

●こんなお話

 ピザ屋のバイトが配達先で殺し屋がヤクザを射殺していく現場に居合わせてしまって弟子入りを志願して殺しの世界に入っていく話。

●感想

 ピザのアルバイトをしている主人公が、ヤクザの出前先のマンションに向かうと、突然背後から殺し屋に銃を突きつけられ、伏せるように命じられる。殺し屋はヤクザたちを次々と皆殺しにし、自身も重傷を負っていたところを主人公が助ける。そのお礼として、主人公は殺し屋に弟子入りを志願する。

 殺し屋は陶芸を嗜む人物で、主人公はその手伝いをしながら、一緒に暮らす女性や安岡力也さん演じる友人とも出会う。主人公は尾行の訓練を受け、サングラスをかけるかどうかの話も交わされる。

 仕事として女性を殺害する役割も与えられ、風呂場でのシーンなどが描かれる。やがて、5対5の殺し合いゲームに参加し、師匠が殺されてしまうが、主人公は追っ手を振り切って逃走。陶芸の女性のもとに豊川悦司さん演じる不気味な殺し屋が現れ、襲われるも逆に彼を殺害する。

 安岡力也さんの演じる旧知の友人が殺人ビデオの存在を知り、組長を呼び出して子分ごと射殺。その後、主人公のもとに戻り、みんなで映画を観て物語はおしまい。

 主人公の「動物は殺せないけど、人間なら殺せると思う」という無茶なセリフと、怒りや喜びをあまり表に出さない無表情な若者ぶりが印象的。陶芸をする師匠が殺し屋というギャップも興味深いです。

 敵組織は全員スーツ姿で無表情、機械のように銃撃を浴びせてくる。彼らに騙され師匠が命を落とす展開が待つ。

 ゲーム感覚の殺人シーンでは、拳銃の細かいディテールにまでこだわり、銃によって違う発砲音がリアルに響きます。画面の冷たさとヘヴィーな銃撃戦、川崎真弘さんの音楽、編集の見せ方も見事です。

 安岡力也さん演じるガレージの男のカッコよさは圧巻。クライマックスの銃撃戦でジャムった拳銃を悟られないように左手で要求するシーンは特に印象的で、寺島進さんの泣き顔の演技も素晴らしかったです。ただ、主人公の見せ場が少ないまま終わる不思議な作品でもありました。

☆☆☆☆

鑑賞日:2013/09/22 DVD 2024/02/13 WOWOW

監督原田眞人 
脚本原田眞人 
出演木村一八 
三原じゅん子 
安岡力也 
大久保鷹 
渡辺哲 
タイトルとURLをコピーしました