映画【人面魚 THE DEVIL FISH】感想(ネタバレ):悪霊が稚魚に宿る…霊媒師と少年が挑む壮絶バトル!驚きの台湾ホラー

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●こんなお話

 乗り移られると殺人鬼になっちゃう悪霊との戦いの話。

●感想

 湖畔で釣りを楽しんでいた男性たちが釣った魚をその場で食べていると、何かがささやく声が聞こえてきて、不穏な空気の中で次々に何かに襲われ、命を落としていくというな幕開け。

 世間を騒がせる殺人犯がある日突然お寺を訪れ、「フーイエ」という存在に会いたいと申し出る。刑事がその殺人犯を連れて霊媒師のもとにやってくる流れは、シリーズを知っている前提で進むようなスピード感があり、初見の観客には少しとっつきにくさを感じるかもしれないです。

 霊媒師はその殺人犯の中に潜む霊を除霊し、霊を魚の体内に封じ込める。そこへビデオコンテストの素材を求めていた少年たちが除霊の現場を取材しようとカメラを回しており、その映像に幽霊が映るという不穏な展開。そして少年の一人が霊の入った魚の稚魚を持ち帰り、自宅で育て始めたことから事態が急変していく。

 少年はシングルマザーの母親と二人暮らし。稚魚をきっかけに母親の様子がおかしくなり始め、不気味さと恐怖が日々の生活に忍び寄る。やがて母親のピアノ発表会で異変が起き、観客が次々と倒れ、少年も気を失って悪夢のようなビジョンを見ることになる。

 母親が失踪してしまい、少年は霊媒師に助けを求める。しかし霊媒師自身にもかつて家族を失った過去があり、その心の傷から「フーイエ」が降臨しなくなっていたという回想が語られる。

 物語は終盤、霊媒師が山中に入り、悪霊との直接対決に向かう展開に。霊媒師は亡き妻の霊と対話し、ついに「フーイエ」が降臨。霊媒師と悪霊モーシンナとの激しい戦いが繰り広げられ、息子もまた善なる霊に憑依されて共に戦う。目が黄色く光るキャラクターたちによるファンタジックな戦闘が繰り広げられ、すべてを救っておしまい。

 本作はシリーズ3作目またはスピンオフのようで、冒頭から設定やキャラクターの関係性が説明されることなく進行するため、初見だと混乱を覚える部分も多いと感じました。霊媒師と刑事、少年とその母親、そして悪霊にまつわる因縁が描かれますが、登場人物の背景や人間関係の掘り下げに時間を割く一方で、テンポが鈍く感じる場面もありました。

 母親役のビビアン・スーが悪霊に取り憑かれてからの熱演は見どころで、怯えや狂気、息子への攻撃性など緊迫感のあるシーンが印象的。だがクライマックスでは「大魔神」や「虎爺さま」といった突然登場する霊たちによる霊能力バトルが繰り広げられ、説明のないままに幻想的な展開へと突入していきます。

 終始ポカンとしながら見ることになるかもですが、シリーズを通して世界観を把握したうえで観ると、より深く理解できる作品なのかもしれないです。これ一作だけではわかりにくい部分が多く、前作も合わせて観たくなる映画でした。

☆☆

鑑賞日:2020/07/24 DVD 2024/05/17 U-NEXT

監督デビッド・ジュアン 
脚本シー・ケン・チェン 
リン・ファン・スー 
出演ビビアン・スー 
チェン・レンシュオ 
チャン・シュー・ウェィ 
ロン・シャオホア 
フランチェスカ・カオ 
チェスター・ウー 
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