●こんなお話
ドイツとか日本に対するレジスタンス活動したりドイツ内部の抗争があったり、ドイツと日本の戦争機運が高まったりする話。
●感想
ジョン・スミスはナチスの中でますます出世を果たしていく一方、内部の権力争いは激化していく。息子を診ていた主治医とその妻が亡くなったことで、スミスに疑いの目が向けられ、立場が危うくなる。疑惑をどう切り抜けるのかが大きな見どころでした。そんな中、スミスの妻ヘレンは主治医との面談を重ねながら、家族の未来について悩み、自分自身の決断を下す。最終的にスミスから離れたいという思いを抱え、娘たちを連れて姿を消す。
一方、ジュリアナはレジスタンスの活動を強化。ナチスが極秘に開発している“パラレルワールド移動装置”を破壊しようと奮闘する。かつての恋人ジョーは、ナチスの殺し屋として冷酷な任務を遂行するが、ジュリアナと再会した際には激しく対立し、悲劇的な展開があったり。
爆破事件を生き延びたフランクは、レジスタンスの象徴となる絵を描き続けながら希望を繋ぎ、エドやジュリアナと再会して束の間の穏やかな時間を過ごす。しかし憲兵の木戸が迫り、再び緊張が走る。ドイツは日本を挑発し、戦争の機運が高まっていく中、田上は独自に和平交渉の糸口を探ろうとする。
クライマックスでは、「高い城の男」がスミスに捕らえられ、ジュリアナもまた捕まるが、パラレルワールド移動装置を使うことなく、意志の力で別の世界へと旅立つ。その瞬間に物語は一つの終着をむかえておしまい。
今シーズンは意外にもスミスの妻・ヘレンの視点が印象的に描かれていて、主治医とのカウンセリングシーンがたびたびフィーチャーされるなど、心理描写にも重きが置かれていたと思います。複数の登場人物が同時並行で描かれる群像劇のため、前の展開を忘れていると少し戸惑うこともありましたが、ナチスのパラレルワールド計画がいよいよ本格化していくことで、物語はSF色を強めていきます。
重厚な政治ドラマとSFが交差する独特な世界観が魅力で、次の最終シーズンへの期待が高まるエンディングでした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/12/13 Amazon・プライム・ビデオ
製作総指揮 | リドリー・スコット |
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原作 | フィリップ・K・ディック |
出演 | アレクサ・ダヴァロス |
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ルパート・エヴァンス | |
ルーク・クラインタンク | |
ケイリー=ヒロユキ・タガワ |