映画【96時間】感想(ネタバレ):父の執念が炸裂するノンストップアクション

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●こんなお話

 娘がさらわれたので探すお父さんの話。

●感想

 元軍人で今は警備の仕事をしている主人公は、離婚した元妻との間にいる一人娘の誕生日にプレゼントを持って会いに行く。元妻はすでに再婚していて、新しい夫からは娘に馬のプレゼントまで。家庭環境は複雑だけど、家族の関係自体は比較的良好な様子。

 そんな中、主人公はかつての軍仲間に誘われ、人気歌手のボディガードの仕事をこなす。暴漢から歌手を守ったことがきっかけで信頼され、娘が歌手志望と知った彼女はマネージャーを紹介してくれるという展開。 

 その後、娘と再会した主人公は「友達とパリに行きたい」と許可を求められるが、「海外は危ない」と拒否。しかし娘は怒り、最終的には折れて許可。娘は友人と共にパリに到着するが、空港で知り合った男にホテルまで送ってもらうと、彼が誰かに電話している様子が不穏。その夜、ホテルには謎の集団が押し入り、娘が主人公に電話してくる。主人公は「今から誘拐されるから、相手の特徴を教えてくれ」と冷静に指示し、娘は連れ去られてしまう。

 すぐにパリへ乗り込んだ主人公は、娘が宿泊していたホテルを調べ、携帯のSDカードから空港で声をかけてきた男の姿を発見。その男に接触しようとするが、逃げられた末に事故で死亡。主人公はフランスの諜報部員に協力を求め、娘を売ったとされる人身売買組織を追うことに。

 売春婦に接近してマフィアに接触するも、揉め事を起こして追い出されるが、無線機を仕掛けていたことで建設現場に関する情報をキャッチ。その現場へ向かうと、そこは売春宿と化しており、薬漬けにされた女性たちが閉じ込められていた。彼女たちを救出しつつ、追っ手を撃退。

 その後、別のアジトに潜入し、娘が誘拐されたときに聞いた声の主と対峙。拷問によって娘が売られたという情報を手に入れる。フランス諜報部員の自宅に乗り込み、妻を負傷させながら情報を引き出し、裏で動く富豪によるオークションの存在を突き止める。

 潜入したオークション会場で娘を発見するも捕まってしまい、命の危機に陥るが、主人公はすさまじい戦闘力で脱出。そのまま富豪の船に乗り込み、全員を倒して娘を救出。無事にアメリカへ帰国しておしまい。

 とにかく「娘を助ける」という1点に全力で突き進む、主人公の執念が炸裂するアクション映画。次から次へと展開するアクションはテンポもよく、約90分という短さでありながら濃密で飽きなかったです。

 ただし気になる点もあって、まず娘が過剰に甘やかされている描写があり、主人公に旅行を止められたときの態度にはモヤモヤしました。馬のプレゼント、盛大な誕生日、泣いて怒ってわがまま放題の娘に対して、主人公が折れる展開には疑問が残ります。

 また、誘拐された娘の友人や、その家族への配慮が一切ないまま話が進む点も気になりました。売春宿の設定や、フランスの情報部員の妻を撃って脅すなど、倫理的に引っかかる描写もあり、やりすぎ感は否めなかったです。

 とはいえ、純粋にアクション映画としてはよくできていて、スピード感と緊張感が途切れず楽しめる。細かいことは気にせず、勢い重視で観るにはぴったりの一本だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2010/03/10 Blu-ray 2024/07/17 Amazonプライム・ビデオ

監督ピエール・モレル 
脚本リュック・ベッソン 
ロバート・マーク・ケイメン 
出演リーアム・ニーソン 
ファムケ・ヤンセン 
マギー・グレイス 
リーランド・オーサー 
ホリー・ヴァランス 
ケイティ・キャシディ 
ザンダー・バークレー 
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