映画【サバハ】感想(ネタバレ):教祖の正体と双子の因縁に迫る!緊張感が続く宗教スリラー

SVAHA THE SIXTH FINGER
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●こんなお話

 新興宗教を取材する牧師が経典とかから連続殺人を行っている人物に近づいていく話。

●感想

 物語は1999年、双子の姉妹が誕生する場面から始まります。妹は胎内で姉に足を噛まれたことにより傷を負って生まれ、姉は異形の姿で生まれたため、家族や周囲から忌み嫌われる存在として扱われます。そして2014年、成長した妹が、監禁された姉に恐る恐る食事を運ぶ様子が描かれ、物語は不穏な空気に包まれていきます。

 一方、新興宗教団体の実態を暴くことを使命とするジャーナリストの主人公が登場。抗議を受けながらも、次なるターゲットとして「鹿野苑」という団体に目をつけ、弟子を信者として潜入させて盗聴を行います。団体の道場の壁に描かれた四天王像から、宗教的モチーフが核心であることが判明します。

 同時期、警察は交通事故現場で崩れたコンクリートの下から、ミイラ化した女子中学生の遺体を発見し、信者の一人に疑いをかけます。その信者は「広目天」と呼ばれる人物から自殺を強要され、追い詰められた末に命を絶ってしまいます。

 主人公は警察の捜査と並行して調査を進め、信者が少年刑務所の出身であることや、団体の経典に「蛇を殺す」などの記述があることを突き止めます。やがてこの団体の起源が「東方教」にあることが明らかになり、教祖が4人の養子を育て、その1人が前述の自殺した信者であることが分かります。4人のうち生存しているのは、広目天のみ。

 広目天は双子を殺そうとしますが、監禁されていた姉の存在を知ったことで恐怖に駆られ逃走。主人公がその後を追跡するも、車で襲撃され、資料を奪われるなどの妨害を受けます。

 クライマックスでは、チベットから訪れた高僧の証言から、東方教の教祖が100歳以上であり“不死”であるという衝撃の事実が浮かび上がります。教祖が1999年生まれの女児たちを、養子たちを通じて殺害してきた可能性を主人公が導き出します。さらに、広目天は自分の父が教祖だと信じていましたが、実は父の側近が真の教祖であると知り、教祖によって撃たれ重傷を負います。

 終盤、主人公は教祖を追い詰めようとしますが、教祖は車で逃走。車に隠れていた広目天が教祖を襲撃し、車はクラッシュ。火を浴びせられた教祖は炎に包まれて命を落とし、物語は幕を閉じます。

 本作では、仏教やキリスト教の要素が織り交ぜられ、経典にまつわる知識が事件のカギを握るため、やや難解な展開が続きます。真相が明かされても、情報量の多さに圧倒される部分がありましたが、「不老不死」という強烈な設定と宗教的神秘に魅せられて、最後まで緊張感をもって観ることができました。

 また、登場人物が子どもの霊を目にするなど、ホラー的な演出も随所にあり、恐怖演出としての完成度も高かったと思います。宗教サスペンスとホラーを融合させた、独特の世界観が光る一作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2024/10/26 NETFLIX

監督チャン・ジェヒョン
出演イ・ジョンジェ
パク・ジョンミン
イ・ジェイン
ユ・ジテ
チョン・ジニョン
イ・デイヴィッド
チン・ソンギュ
ファン・ジョンミン
田中泯
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