映画【日本侠客伝】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　昔ガタキの古いヤクザと新興の企業系ヤクザとの対立の話。

●感想

　深川での運送業を営む渡世人たちで普通に商売をやっているヤクザさんたちというのをあまり見たことがなく、半分商売人、半分ヤクザという生き方が新鮮でした。それでいて、現代的な利益優先の新興のヤクザが現れて、義理人情を大切にする主人公側の組と対立していく。

　日本人が大好きそうな90分のうち80分くらいは主人公たちはやられにやられて、耐えに耐えて最後の最後に爆発して殴り込み。という展開が熱くてよかったです。

　争いを好まない親分が亡くなったことにより、どんどんと商売が先細りになっていく主人公たちがカタキ役側の気に食わないことがあると妨害されていく展開が続きます。本当にこれが見ていて辛くて、片思いの女性の借金を帳消しにしたと思って告白して良い返事をもらった帰りに…とか。主人公たちが義理で大事な仕事を町全体で行おうとしたら、やっぱり妨害が入って、仲間の一人があえて犠牲になって…とか辛すぎる展開が多かったです。

　そして客分の中村錦之助さんとかかっこよすぎの役で「自分は関係ない」とあまり関わらない役だと思いきや理不尽なことがあると一人殴り込みに行くという良い役回りのキャラクターでした。

　ただ基本、主人公たちがやられまくる映画なので全体的に暗くてゲンナリしてしまうのと。男たちは殴り込みに行って命を散らせば納得かもしれないですが、やっぱり現代的な視点を持つと残された女子供たちが可哀そうだなと思ってもしまう映画でした

　とはいえ、豪華キャストが同じ画面に映っているだけで楽しい映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2020/04/17　Amazonプライム・ビデオ