映画【真夏のオリオン】感想(ネタバレ):終戦間際の潜水艦戦に迫る|絆と戦略が織りなす海軍ドラマ

Last Operations Under the Orion
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●こんなお話

 終戦間際に日本の潜水艦とアメリカの駆逐艦の戦いの話。

●感想

 ある女性が、祖父のもとに米海軍から楽譜が届けられるところから物語は始まります。彼女は祖父が戦っていた当時の仲間を訪ね、戦争末期の様子を詳しく聞き取ります。

 物語の中心は、太平洋戦争末期の潜水艦戦にあります。主人公たちは潜水艦同士の戦いで撃沈される覚悟を持ちながら任務に挑みます。特に、主人公の親友が日本の潜水艦を守るために前線に立ち、彼がいることで安心感を得られるということが話されたり。任務前には二人で「死ぬなよ」と互いに誓い合うシーンや、主人公が親友の妹から楽譜を受け取ってお守りにするのも印象的です。

 駆逐艦との戦闘が始まり、深く潜航するとモールス信号が聞こえてきます。親友の潜水艦からのメッセージを受け取り、こちらも静かにしなければならないのですが、興奮のあまり主人公がモールス信号を叩いてしまい、親友は意識を失ってしまいます。

 さらに深く潜り、隠れながら我慢比べを繰り広げる中、人間魚雷「回天」を使って酸素を回復させたり、火災による負傷者が出たり。やがて死者が出たため遺体を射出し敵を欺こうとしますが、駆逐艦の艦長はこの作戦に騙されず。

 最終的には、回天を使って駆逐艦をおびき寄せる作戦が成功し、魚雷を発射して駆逐艦を航行不能に追い込みます。主人公たちも浮上し、大砲で狙われる中、ちょうど終戦の連絡が届きます。互いに敬礼を交わし、主人公は愛する人のもとへ帰るという結末でおしまい。

 どうしても気になってしまうのは、登場人物が現代人のように見えてしまい、戦時中の雰囲気が完全には出ていない点でした。日米両国の知力を尽くした戦いは、武士道や騎士道精神を感じさせて大変見応えがありますが、潜水艦と駆逐艦の戦いに関してはスピード感や緊張感がやや不足しており、アクション作品としての迫力には物足りなさを感じました。

 それでも、潜水艦関連の専門用語や戦術が多く登場し、そうした面ではとても楽しめる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2010/04/13 DVD 2024/09/08 NETFLIX

監督篠原哲雄 
監修福井晴敏 
脚本長谷川康夫 
飯田健三郎 
脚色福井晴敏 
原作池上司
出演玉木宏 
北川景子 
堂珍嘉邦 
平岡祐太 
黄川田将也 
松尾光次 
古秦むつとし 
奥村知史 
戸谷公人 
三浦悠 
山田幸伸 
伊藤ふみお 
鈴木拓
太賀 
吉田栄作 
鈴木瑞穂 
吹越満 
益岡徹 
ディヴット・ウイニング
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