●こんなお話
三好家の美女を巡って僧侶たちが暗躍してそこに忍者が立ち向かう話。
●感想
戦国時代の物語が舞台となるこの作品には、三好家の当主とその家臣である松永弾正が登場。松永弾正は僧侶たちと陰謀を巡らせ、媚薬を作り出してお姫様を手中に収める計画を進めていた。そんな中、伊賀の忍者である主人公と彼の想い人の娘は、平和で幸せな日々を過ごしていたが、突如として僧侶たちの襲撃を受けてしまう。主人公の顔には黄色い糸がかけられ、抵抗むなしくやられてしまい、娘は誘拐されてしまう。
誘拐された娘は僧侶の前で自ら命を絶ち、その死は悲劇的なものに。しかし、松永弾正の愛妾もまた命を絶ち、僧侶の魔術によって胴体と首を入れ替えられるという術が施される。主人公の恋人の心と身体を持つ女性は、僧侶に犯され涙を流すが、その涙は媚薬の重要な原料となっていく。娘は脱出に成功し、主人公と再会して事情を語ったのち、静かに息を引き取る。
復讐に燃える主人公は僧侶たちとの戦いに挑むも、名器を奪われてしまう。やがて東大寺で参拝していた三好のお殿様が謎の集団に襲撃される騒動の隙を突き、お姫様が主人公によって誘拐される。燃え盛る東大寺の炎の中で、主人公とお姫様は互いに愛を確かめ合うことになる。
その後、主人公は僧侶たちとの激しい戦いに臨む。蘇生能力を持つ医療僧侶を最初に討ち取り、口から糸を吐き出す僧侶は沼に沈め、鉄針を飛ばす僧侶には十字架を突き刺して倒す。怪力の持ち主には砂を目に投げかけ、両目に刀を突き刺して討ち果たしていく。次々と強敵を制していく主人公の姿は迫力満点でした。
同じ顔を持つお姫様の登場により三好家の当主は心を乱し、自害してしまう。松永弾正がその後を継ごうとしたところに、柳生十兵衛の軍団が襲来し、主人公を援護する。柳生十兵衛と松永弾正の激しい戦いが繰り広げられ、松永弾正は最期を迎える。物語は主人公と僧侶のボスとの決戦を経て静かにおしまい。
この作品は特撮時代劇としての楽しさにあふれていますが、主人公が僧侶たちに勝利する過程の理屈があまり感じられず、ただ戦って倒していく単純な流れが続く印象を受けました。三好家に暗躍する僧侶たちと忍者の主人公たちの物語が絡み合う構造は興味深いものの、展開はやや散漫で、それぞれの動きが断片的に交錯するため、全体の流れをつかみにくい面もあったり。とはいえ、特撮ならではの派手なアクションシーンや迫力ある戦いは、時代劇ファンには魅力的に映る1作だと思います。
☆☆
鑑賞日:2023/07/02 U-NEXT
監督 | 斎藤光正 |
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脚本 | 小川英 |
原作 | 山田風太郎 |
製作 | 角川春樹 |
出演 | 真田広之 |
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渡辺典子 | |
渡辺典子 | |
千葉真一 | |
田中浩 | |
中尾彬 | |
成田三樹夫 | |
美保純 | |
風祭ゆき | |
ストロング小林 | |
佐藤蛾次郎 | |
松橋登 |