●こんなお話
ロサンゼルスを舞台に警察と銀行強盗犯たちの抗争の話。
●感想
現金輸送車を襲撃する強盗犯たちは、非常に手際がよく、プロフェッショナルとして一瞬で仕事を片付ける。しかし、その中の1人が警備員を射殺してしまい、仲間内で揉めごとが起きる。主人公である刑事は、いつも通りの朝を迎えるが、奥さんやその連れ子との間に喧嘩があり、家庭内の緊張も描かれたり。
一方で、強盗犯たちの日常も丁寧に描かれていき。リーダー格の男は、バーで知り合った書店員の女性といい関係になり、仲間の1人は家庭を持っていて、奥さんは裏の仕事を知っているが心配しながら支えている。その夫婦の関係もぎくしゃくしていて、男が奥さんに対して怒りをぶつける場面も。仲間内のトラブルを重く見た強盗団は、事態を悪化させた仲間を始末しようとするが、彼は間一髪で逃れる。
次のヤマとして銀行強盗の話が持ち上がり、金に困っているメンバーたちはそれを引き受けることに。ただし、その前に盗んだ証券を返すための交渉が行われる。しかし、交渉の場で裏切られて襲撃され、応戦する展開。
刑事は証言などから強盗犯の1人にたどり着き、彼を尾行することでチーム全体を追い始めます。レストランでの食事を監視したり、次の犯行現場を見張ったりするが、音を立ててしまい犯人たちは計画を中止。その後、犯人たちの会話の場に刑事が踏み込むが、逆に顔をカメラに撮られてしまう。刑事はさらに、強盗犯のボスとダイナーで直接向き合い、コーヒーを飲みながら「互いにやめられない仕事だ」と語り合う。
その後、警察の尾行を巧みにまいて姿を消した強盗団は、いよいよ銀行を襲撃。しかし、刑事側にはタレコミが入り、現場に急行して銃撃戦となる。結果、強盗団は2人の仲間を失い、2人が逃走に成功する。
強盗団のボスは国外逃亡を考えて恋人と話し合い、一緒に逃げる決意をします。もう1人の仲間は妻のもとに戻るが、刑事の待ち伏せを察知して妻に警告だけして立ち去る。そして、ボスは恋人との逃避行の直前に、自分たちを裏切った元仲間を殺しに行く。だが、その現場を刑事に張り込まれていて、恋人を置き去りにして逃げざるを得なくなる。最後は刑事と1対1の対決となり、刑事がボスを射殺しておしまい。
映画冒頭では、救急車を奪う男、爆薬を買う男、妻と過ごす男といった主要メンバーが短く紹介され、それぞれが物語の一部として絡んでいく。現金輸送車を襲撃する一味による重低音が響く銃撃戦はとにかく迫力があり、マイケル・マン監督らしい緊張感のあるアクションと、美しくも冷たいロサンゼルスの夜景が最高にかっこよかったです。俳優陣の渋さも加わって、画面全体がとても絵になる映画だと思います。
ただ、作品の製作された時代背景の影響か、女性キャラクターが男性に抑圧される場面が多く、観ていて少し辛く感じた部分もありました。男性は怒鳴ってばかりで、女性は泣くという構図が繰り返され、最終的には自殺未遂にまで追い込まれる描写もあったり。
それでも、これだけ豪華なキャストによる熱演と、全編にわたって展開される激しい銃撃戦を観られるだけでも十分に満足できる映画でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2014/12/29 DVD 2023/07/30 Amazonプライム・ビデオ
監督 | マイケル・マン |
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脚本 | マイケル・マン |
出演 | アル・パチーノ |
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ロバート・デ・ニーロ | |
ヴァル・キルマー | |
ジョン・ヴォイト | |
トム・サイズモア | |
ダイアン・ヴェノーラ | |
エイミー・ブレネマン | |
アシュレイ・ジャッド | |
ミケル・T・ウィリアムソン | |
ウェス・ステューディ | |
テッド・レヴィン | |
ケヴィン・ゲイジ | |
ナタリー・ポートマン |