●こんなお話
格差社会の最底辺の主人公が富裕層の住むコロニーに潜入しようとする話。
●感想
未来の地球で富裕層は地球の大気圏外にある宇宙ステーションみたいなところに生活していて極楽な生活。一方、地球では底辺の人たちが理不尽な生活に苦しんでいる。
未来の映像は面白く。特にアクションシーンは迫力いっぱいで、バンバン銃を撃ってシールドで防いだり。明るい中でのシャトルの映像とかはこの監督さんの前作と同様で面白い映像でよかったと思います。
ところがよかったのはこの映像くらいで、世界観の設定とかは疑問だらけの映画で残念でした。
主人公は工場で働いてますが、この工場、とんでもないブラック企業で致死量の放射線だかを浴びてしまった主人公を速攻でクビにするという。ただでさえ流れ作業を必死でやってるのに、そんな簡単に労働力をなくしてしまっていいのか? それで残り5日の命になってしまう主人公。
この余命5日というカセが全く機能していなくて、これの緊張感はなくて。後半どんどん関係なくなっていきます。タイミングいいところで頭痛が起こるくらいの設定でした。
主人公は自分が助かりたいがために上へ行きたいという行動の動機が発生して、チンピラみたいな人たちと富裕層の情報を得ようとするという流れになります。 ここら辺は主人公が改造されてパワーアップするのは面白かったです。
カタキ役としてジョディ・フォスターが配役されていて豪華ですが、この人の目的もよくわからず。クーデターを図る人物ですが、なぜそのような行動をとるのかが一切描かれないし、そのため地球で裏仕事をやっている殺し屋みたいなのにド派手に違法にやってくる移民を暗殺させてたり。よくわからない行動をしてます。 このエリジウムは警備体制どうなってるのかも謎です。クライマックスは数人しか出てこないという。そしてジョディ・フォスターは殺し屋に「派手にやっちゃって、お前ら使えないわー。ホント使えないわ―」と悪態を近づきながら殺し屋に近づくという。どうなるか結果わかる近づき方でした。
このクーデターの計画もずさんすぎるし、総裁だかの権力構造はどうなってるのか? 一体何がしたかったのかわからなかったです。
主人公は幼馴染のヒロインとの関係も描かれますが。後半になるにつれ、主人公は「死にたくない」という行動なのか「ヒロインの娘さんが白血病なのを救いたい」なのか「地球に住む人々を解放したい」なのかがわからないのが1番痛いです。
何をしているんだろう? この主人公。という気持ちになってしまうので盛り上がらないクライマックス。ヒロインの娘さん、白血病ってことですが。この映画の白血病は毒に侵されたみたいな。みるみる弱っていくという病気なのが凄いです。
結局、乗り越えるべき相手が変更になってるし。何をしたいのかがわからない主人公だしで、映画の世界観も突っ込みどころが多くて、ちょっと見てるのが辛い映画でした。
時間がない主人公。スラム街、貧富の差。と前作【第9地区】とやってることが変わらずだし、むしろ世界観がしっかりと描かれてないため。もっとダメになってしまっているように思えました。
☆☆☆
鑑賞日: 2013/09/20 TOHOシネマズ南大沢 2014/04/16 Blu-ray
エリジウム監督 | ニール・ブロムカンプ |
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脚本 | ニール・ブロムカンプ |
出演 | マット・デイモン |
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ジョディ・フォスター | |
シャールト・コプリー | |
アリス・ブラガ | |
ディエゴ・ルナ | |
ウィリアム・フィクトナー |