●こんなお話
神父さんの自殺きっかけで、その町の住民たちが殺されていく話。
●感想
神父さんが首つり自殺して、それを別の場所で霊能者が千里眼で見る。それを見てショック死してしまう女性。警察が事情聴取に来るけど、霊視とか当然信じない。新聞記者が事件をかぎつけてやってくる。亡くなった女性の棺桶を見ていると、その女性が復活して棺桶の中から悲鳴を聞いて助ける。
この時の記者が「声が聞こえたか?」というくだりが結構長いです。結構長いこと棺桶に近づくのか近づかないのかのサスペンスが面白かったです。そして棺桶の蓋を破壊するために危うく女性も傷つきそうになるのとかもハラハラドキドキというより笑えるシーンとなっていました。そして亡くなった女性が生き返ったことについては特に誰も疑問に持たないまま話が進行していきます
神父が自殺して死人が復活して襲いかかってくるダンウィッチという街の住民たちが襲われる描写も交互に挿入されていきます。ゴア描写はさすがの見せ場でミミズを口に突っ込まれたり、なぜか神父のお化けに見られた人が目から血を出して口から内臓を飛び出して死んじゃったり、サービスいっぱいです。ドリルで頭を貫いて死んじゃうとかもなかなかのショッキング度でした。
ただこのドリル突き刺しシーン。殺人事件の容疑者となった男性が逃げて若い女性の家に逃げたら、そのお父さんから「変態野郎」と殺されるという本筋とあまり関係のない殺人だったと思います。
ゾンビみたいなお化けが出てきて女性が悲鳴とかのサスペンスはありますが、男性陣は基本棒立ちで無表情で緊迫度がないのも特徴で今のシーンにどれくらいの怖さや緊張感があるのかが伝わりにくかったです。
そして主人公たちが集まっているといきなり窓が開いてのウジ虫が吹雪みたいに入ってくるというこの映画屈指の名シーンだったと思います。これだけの量のウジ虫をスクリーンで見るというのがないので素晴らしかったです。役者さんのアップになると皆さん口を必死に閉じてウジ虫が入らないようにするというリアリティがよかったです。そして大量のウジ虫だらけの中、電話が鳴ってハンカチでウジ虫をはらってからの「誰だ」と普通に電話に出る主人公たち。決してパニックにならず落ち着きが勉強になります。
前半から中盤は結構静かな印象で退屈に感じてしまいましたが、殺された人がゾンビみたいになって襲ってきて襲われる人パニックみたいな後半から盛り上がってきてスプラッタ描写の見せ場の連続にニコニコできる構成でした。
握力の強いゾンビが後頭部を掴むと髪の毛を引きちぎって脳みそ出てくるとかも面白いカットでした。そして牧師の一族のお墓に行くとネズミやら蜘蛛の巣だらけの骸骨やらアドベンチャー映画感が増すのも特徴的でした。親分である神父の幽霊と対峙して普通に金属の棒を突き刺すと幽霊が苦しんで燃えるという物理的攻撃が通用する幽霊でした。
何とかお墓から出ると映画の中で守ってきた子供がこちらに向かってきて、女性の悲鳴が響いて画面がひび割れるという謎のエンディングが戸惑う映画でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/12/07 キネカ大森
監督 | ルチオ・フルチ |
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脚本 | ルチオ・フルチ |
ダルダーノ・サケッティ | |
原案 | ルチオ・フルチ |
ダルダーノ・サケッティ |
出演 | クリストファー・ジョージ |
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カトリオーナ・マッコール | |
カルロ・デ・メイヨ | |
アントネッラ・インテルレンギ | |
ジャネット・アグレン | |
ジョヴァンニ・ロンバルド・ラディーチェ | |
ファブリツィオ・ジョヴィーネ |