映画【男たちの挽歌 REBORN】感想(ネタバレ):兄弟の絆と裏切りを描く香港ノワール再構築作

A Better Tomorrow 2018
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●こんなお話

 犯罪組織の主人公とその弟分と警官のリアル弟と一緒に対立する人間と戦う話。

●感想

 幼い頃に母を亡くし、厳格な父の教育のもとで育ったチョウ・カイは、成人後、水夫として日本と中国を行き来しながら、義兄弟のマー・カーと共に密輸の世界に足を踏み入れていた。
表向きは船員として真面目に働くチョウ・カイだったが、裏では密輸組織の一員として活動しており、ただし殺しや麻薬取引には明確な嫌悪感を示し、犯罪者としても一線を引いた存在だった。

 一方、弟のチョウ・チャオは正義感の強い警察官として働き、要介護状態の父を支えながら職務に励いていた。兄が裏社会に関わっていることを知らないチャオは、カイを立派な兄として心から尊敬していた。

 ある日、チョウ・カイとマー・カーは東京で日本のヤクザ組織と接触し、麻薬を含む大規模な密輸取引を持ちかけられる。しかしチョウ・カイはその条件を拒否し、この判断が組織内での立場を大きく揺るがすことになる。
 組織内で権力を狙っていたピー・ジンは、カイを排除するために策略を巡らせ、警察に情報を流すことで彼を罠にかける。

 皮肉にも、その逮捕の現場に居合わせたのは弟のチョウ・チャオだった。兄の正体を知ったチャオは深い衝撃と失望を受け、混乱の最中で父親が殺害されてしまったことで、兄への怒りと憎しみを強めていく。

 数年後、刑期を終えて出所したチョウ・カイは、過去と決別し、堅気として生き直す決意を固める。しかしチョウ・チャオは兄を許すことができず、兄弟の関係は完全に断絶していた。
 その頃、マー・カーは復讐心に突き動かされ、日本のヤクザ組織に単身で殴り込みをかけ、激しい銃撃戦の末に重傷を負い、片足に深い後遺症を残す。それでも彼はピー・ジンへの復讐を諦めず、日本に身を潜めながら機会をうかがい続けていた。

 チョウ・カイの更生を快く思わない犯罪組織は、彼を再び裏社会へ引き戻そうと圧力をかけるが、カイはそれを拒み続ける。その姿は次第にチョウ・チャオの心にも影響を与え、警察官としての正義と兄弟としての情の間で葛藤するようになる。

 やがて、チョウ・カイ、チョウ・チャオ、マー・カーの三人は、それぞれが背負ってきた過去と因縁を抱えたまま、密輸組織との最終局面へと巻き込まれていく。組織を壊滅させ、銃撃戦の中で三人は重傷を負っておしまい。


 基本的な物語の流れはオリジナル版をなぞって進行しますが、男同士の過剰なまでの友情や、心を熱くさせる銃撃戦の高揚感は控えめで、結果としてオリジナルを改めて観れば足りてしまう印象を受けました。リメイクとしての必然性は、正直あまり感じられなかったです。

 一方で、日本人視点から見ると独特な日本描写は楽しめました。料亭で相撲レスラーのような男たちが乱闘を繰り広げたり、銃撃戦が起きている中でも京劇の演者たちが平然と舞台を続けていたりと、妙に記号化された日本文化が次々と登場します。
 地震をきっかけに物語が大きく転がる展開も、日本が舞台だからこそ成立する演出として印象に残りました。

 ただ、主人公が罠にかけられるきっかけとなる日本での抗争や、マー・カーが片足を負傷する重要な場面も、全体的にあっさりと描かれており、感情を深く揺さぶられるまでには至らなかったです。
 オリジナル版で強烈だった転落後の悲壮感も、本作では描写が軽く、人物の変化がやや表面的に感じられました。

 クライマックスの大規模な銃撃戦も、CGによる弾道表現が目立ち、肉体的な迫力やカタルシスは控えめでした。
 それでも、渋谷のスクランブル交差点で静かにタイトルが表示される場面には思わず笑ってしまい、独特な余韻を残す作品ではありました。

☆☆☆

鑑賞日:2020/07/08 DVD 2026/01/17 U-NEXT

監督ディン・シェン 
脚本ディン・シェン 
ウー・ヤン 
出演ワン・カイ 
マー・ティエンユー 
ダレン・ワン 
ラム・シュー 

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