●こんなお話
めちゃくちゃな暴利な闇金業者の人たちと彼らにお金を借りる人たちの悲喜こもごもな話。
●感想
底辺に生きる人たちが何とか現状を突破しようと夢見て破れていく様子が描かれていて、なかなかハードでした。
ウシジマ君のもとで働き始めるニートの若者、ナンバーワンホストになろうとする青年、そのホストに貢いで転落していく中卒の女性、その女性にストーキングする男、小中学生を引き連れるチンケな暴走族の総長。
彼らと彼らに金を貸すウシジマくんやライバルの闇金業者だったりの日常。
序盤から中盤は、それぞれの人物たちにスポットが当たり、やるせない日常。そこから脱出するためにお金がいる。とウシジマくんのもとへとやってくる人たちの様子が描かれ、更にはそこからどんどんと深みにハマっていく様子が見ていられないくらい辛いです。
ナンバーワンホストになるためになりふり構わず、太客からお金を引き出そうとするホスト。そのホストに貢ぐために美容師になるという夢を持ってるけど、お金を集めるために身体を売りはじめる。クズと呼ばれて悲惨な日雇い労働をする男が女性を見つけてストーキングしていく様子。暴走族の総長だけど、ずっとこのままじゃいられないとお金を集めようとする様子。
大勢の人物たちが同時進行で描かれさばいていく構成は面白く見ることができました。そこにウシジマくんがどこか達観した表情でドシっと構えて、何か仙人のような格言をボソっという。ウシジマくんならどんなピンチでも突破できるんだろうなという風格が凄いです。
またウシジマくんを目の敵にするライバルの闇金業者がいたりして。
けど、同時進行で描いていくため。クライマックスは暴走族の総長とウシジマくんの元から逃げ出した青年がウシジマくんからお金を強奪しようとするあたりから、他の人たちは当然消えてしまって彼らだけにスポットが当たって退屈でした。
しかも完全にわめき散らしての行き当たりばったりで、絶対ウシジマくんには勝てなそうなので。絶対失敗するんだろうなー、とどこか傍観してしまって入り込めなかったです。
その人たちのエピソードメインになって、ストーカーだったりホストだったりがエピローグで少しは出てきますが。そこで終わりかぁと少し不完全燃焼感が残りました。
ストーカーさんの医療品の不法投棄とか酷い仕事って紹介だけだったのか。。注射針に刺さって何か病気にでもなるのかなと思ってたら、そういうことでもなく。
テレビドラマでやって1人1人掘り下げていったら面白いと思える映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2014/05/17 TOHOシネマズ南大沢
監督 | 山口雅俊 |
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脚本 | 福間正浩 |
山口雅俊 | |
原作 | 真鍋昌平 |
出演 | 山田孝之 |
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綾野剛 | |
菅田将暉 | |
木南晴夏 | |
門脇麦 | |
高橋メアリージュン | |
中尾明慶 | |
窪田正孝 | |
キムラ緑子 | |
マキタスポーツ | |
本仮屋ユイカ | |
光石研 | |
柳楽優弥 |