●こんなお話
宗教を説く男の家に招かれた2人の宣教師が、地下室に閉じ込められ、知識と知恵を使って脱出を試みる話。
詳細ネタバレあらすじ
コロラド州ボルダーで末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師として活動するシスター・バーンズとシスター・パクストンは、布教活動のためミスター・リードの自宅を訪れる。リードは二人を家の中へ招き、自分の妻が奥でブルーベリーパイを作っていると説明する。女性がいる家でなければ男性と二人きりになれないという二人の規則を満たしているため、バーンズとパクストンは家に入る。
三人は宗教について話し始める。リードは宗教について詳しく調べていると話し、二人に信仰について質問する。パクストンは、自分が死んだ後に蝶になり、愛する人の手に止まることで自分だと伝えたいという話をする。バーンズもリードの質問に答えながら、自分たちが信じている宗教について説明する。
リードが別の部屋へ移動した後、バーンズとパクストンは室内に漂っているブルーベリーパイの匂いを確認する。二人がキッチンを調べると、そこにブルーベリーパイはなく、匂いはブルーベリーの香りをつけたキャンドルから出ていることが分かる。リードが妻がいると説明していたことに疑問を持った二人は、家から出ようと玄関へ向かう。しかし玄関は施錠されている。
リードが戻ってくると、玄関はタイマー式の鍵で施錠されているため、すぐには開かないと説明される。二人は携帯電話で助けを求めようとするが、電波が入らない。リードは二人を別の部屋へ案内し、宗教についての話を続ける。
リードは、現在存在する宗教には、それ以前に存在した宗教の神話や儀式が取り込まれていると説明する。キリスト教とミトラ、ホルス、クリシュナなどを比較し、さらにボードゲームのモノポリーや音楽の楽曲を例に挙げ、後から作られたものが過去に存在したものを取り込んで成立するという説明をする。
その後、リードは二人に二つの扉を見せる。一方には「Belief」、もう一方には「Disbelief」と書かれている。リードは、神を信じるなら「Belief」、信じないなら「Disbelief」の扉を選ぶよう二人に求める。
バーンズはリードの説明に反論。二人は「Belief」と書かれた扉を選ぶ。その先には別の部屋があるのではなく、地下へ続く階段がある。バーンズとパクストンが階段を下りると地下室に到着し、リードも二人の後から地下へ入る。
地下室で年老いた女性が現れる。リードは女性を「預言者」と呼び、ブルーベリーパイを食べて死亡した後に生き返るところを二人に見せると説明する。女性はパイを食べた後に倒れる。リードはバーンズとパクストンに女性の脈を確認させる。二人が確認すると、女性には脈がない。
そのころ、二人が所属する教会のエルダー・ケネディが、帰ってこないバーンズとパクストンを捜してリードの家を訪れる。リードは玄関でケネディに対応し、二人は家に来ていないと答える。ケネディは家の中を確認できないまま、その場を離れる。地下室にいるバーンズとパクストンは助けを求めて声を上げるが、ケネディには届かず、二人は落ちているマッチ棒を拾おうとする。
ケネディが去った後、倒れていた女性が起き上がる。リードは女性が死んだ後に生き返ったと説明する。女性は死んでいる間に見たものについて話し、死後の世界についてパクストンに語る。バーンズはその話を聞き、臨死体験で語られる内容と似ていると指摘する。
バーンズはリードを攻撃するため、パクストンに合図を送る。しかしリードは二人の動きを察知し、バーンズの首を刃物で切る。バーンズは倒れて出血。リードはパクストンに対し、バーンズも死後に生き返ると説明する。
リードは倒れているバーンズの腕から小さな金属片を取り出し、それをマイクロチップだと説明する。そして、そのチップによってバーンズが現実の人間ではなく、シミュレーションの中に存在していると説明する。しかしパクストンは、それがマイクロチップではなく避妊用インプラントだと指摘する。
パクストンは、地下室で起きた「死者の復活」が仕掛けだったことに気づく。最初にパイを食べて倒れた女性と、その後に現れた女性は別人だった。リードは二人の注意が別の場所へ向いている間に最初の女性を移動させ、別の女性を同じ場所へ出していた。
パクストンは地下室の中に別の通路があることを発見する。リードは、その先に「唯一の真の宗教」があると説明する。パクストンは地下通路を進み、複数の部屋を通過する。最後の部屋には、パクストンがリードの家を訪れた際に自転車を固定するために使ったものと同じ種類の鍵が付けられている。
その部屋の中には複数の女性が檻に入れられている。パクストンは女性たちを確認し、リードが女性たちを閉じ込めていたことを知る。リードは宗教についての説明を続ける。
パクストンはリードに襲いかかり、レターオープナーでリードを刺す。リードもパクストンを刺す。二人は地下室で倒れて出血する。リードはパクストンに祈るよう求める。
パクストンは祈り始め、祈りについて話す。リードはパクストンを殺そうとして近づく。そのとき、倒れていたバーンズが起き上がる。バーンズは木片を手に取り、釘が突き出た部分をリードの頭に打ち込む。リードは倒れ、その場で死亡する。バーンズも再び倒れる。
パクストンは地下室から脱出し、リードの家の外へ出る。雪の中を逃げるパクストンの手に蝶が止まる。パクストンは物語の序盤で、死んだ後に蝶になり、愛する人の手に止まりたいと話していた。蝶はパクストンの手から飛び去る。その後、パクストンがその場から離れておしまい。
●感想
最後にパクストンが地下から逃げ出す場面で、地下室の構造をおもちゃの家のように俯瞰で見せる映像が面白かったです。閉ざされた空間を上から見せることで、パクストンがどこを通って逃げているのかも分かりやすくなっていました。
バーンズとパクストンがリードに支配されそうになりながらも、ただ言われた通りに行動するだけではないところも良かったです。特にバーンズが宗教についての知識を使ってリードの説明に反論する場面があり、二人が最後まで一方的にやられ続ける展開になっていないのが印象に残りました。
ヒュー・グラント演じるリードも良かったです。序盤から宗教について長々と話しながら、相手の考えを少しずつ誘導していくので、普通に宗教の話をしている人物ではないことが早い段階から伝わってきます。穏やかに話しているのに、会話そのものを使って相手を自分のペースへ引き込もうとする感じがあり、怖さにつながっていました。
ただ、リードが話す宗教についての内容はかなり小難しく、正直なところ、何を説明しているのか分からなくなる場面もありました。モノポリーや音楽など、いろいろなものを例に出して宗教について説明していくのですが、話が長く続くため、途中で少しボーッとしてしまいました。
宗教についての議論を楽しめる人なら面白く感じる部分だと思いますが、私はそこを十分に理解できないまま話が進んでしまいました。そのため、リードの話術やヒュー・グラントの演技は楽しめた一方で、会話の内容そのものには入り込みにくかったです。
それでも、密室に閉じ込められた二人の宣教師が、相手の説明を聞きながら少しずつ状況を確認し、最後には自分たちで脱出する展開は面白かったです。特に、序盤から登場する蝶が最後にもう一度登場する構成も印象に残る1作でした。
☆☆☆
鑑賞日:2026/09/13 Amazonプライム・ビデオ
| 監督 | スコット・ベック |
|---|---|
| ブライアン・ウッズ | |
| 脚本 | スコット・ベック |
| ブライアン・ウッズ |
| 出演 | ヒュー・グラント |
|---|---|
| ソフィー・サッチャー | |
| クロエ・イースト |


