映画【忍者秘帖 梟の城】感想(ネタバレ)秀吉暗殺に挑む伊賀忍者。

Ninja hichô Fukurô no shiro
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●こんなお話

 秀吉暗殺を依頼された忍者とそれを阻止する忍者の戦い。

詳細ネタバレあらすじ

 伊賀の里が信長勢に攻められ、伊賀忍者の多くが討ち取られる。葛篭重蔵は家族を失い、下柘植次郎左衛門や風間五平らとともに伊賀を脱出する。その後、重蔵は下忍の黒阿弥と山奥の庵に身を隠し、仏像を作りながら暮らしている。

 年月が過ぎたころ、次郎左衛門が娘の木さるを連れて重蔵のもとを訪れる。木さるは風間五平の許婚者である。次郎左衛門は、堺の豪商・今井宗久から豊臣秀吉の暗殺を依頼されたことを重蔵に伝え、秀吉を殺すよう持ちかける。重蔵は依頼を引き受け、秀吉暗殺のために動き始める。

 一方、風間五平は伊賀を離れ、京へ出て前田玄以のもとに仕えている。五平は忍者としての身分を捨て、石川五右衛門と名乗っている。五平の正体を甲賀忍者の摩利洞玄が見抜き、玄以のもとで秀吉を狙う者を探す任務につく。重蔵を追うことも五平の任務となる。

 重蔵は今井宗久のもとへ向かい、宗久の養女である小萩と接触する。小萩も忍者で、重蔵を監視し、暗殺する任務を受けている。重蔵は小萩と行動をともにするようになり、小萩は重蔵を殺す任務を実行しない。

 重蔵は散り散りになっている伊賀忍者を集め、秀吉暗殺に向けて準備を進める。その過程で、十年ぶりに五平と再会する。五平は重蔵を追う立場になっており、かつて同じ伊賀で生きた二人は敵として対峙する。 

 次郎左衛門は、重蔵と五平を利用して伊賀忍者を生き残らせるため、豊臣方と徳川方の双方に通じる策を進めていた。重蔵は次郎左衛門の計画を知り、山へ戻る。次郎左衛門は摩利洞玄と対決するが、洞玄に殺される。黒阿弥も洞玄と五平によって殺される。

 小萩は重蔵のもとへ来て、次郎左衛門と黒阿弥が殺されたことを伝える。その後、重蔵は京都所司代へ忍び込む。所司代で摩利洞玄と戦い、重蔵は洞玄を倒す。

 重蔵は所司代を脱出する途中で五平の攻撃を受け、毒を塗った手裏剣で傷を負う。重蔵は小萩のもとへ逃げ込み、小萩が重蔵の傷を手当てする。小萩は重蔵を助け、重蔵は回復する。

 回復した重蔵は、木さると雲太郎を甲賀忍者から逃がし、二人を山へ向かわせる。雲太郎は重蔵を師と仰いでいる。その後、重蔵は秀吉を殺すため伏見城へ向かう。

 重蔵は伏見城へ忍び込み、秀吉の前までたどり着く。しかし、重蔵は秀吉を殺さず、城を出る。秀吉暗殺を果たさないまま伏見城を去ろうとする重蔵を五平が追いかけるが、五平が追手に捕まってしまい、さらに前田玄以に裏切られて石川五右衛門として処刑される。重蔵は、小萩と合流する。

 重蔵と小萩は一頭の馬に二人で乗り、木さると雲太郎が待つ山へ向かう。二人は山道を進み、木さると雲太郎の待つ場所へ戻っておしまい。

●感想

 太平の世になり、戦国時代のように忍者が必要とされなくなったことで、仕事を失った忍者たちが登場する設定が面白かったです。戦乱が終われば忍者も必要とされなくなり、それまで培ってきた技術を使う場所がなくなるという状況が、物語の背景になっています。

 特に面白かったのは、豊臣秀吉を狙う重蔵を監視するために近づいた小萩が、重蔵と行動をともにするうちに任務から離れていくところです。また、木さると五平の関係など、忍者たちの世界に若い男女の恋愛を絡めた展開も描かれています。 

 ただ、90分という短い上映時間の中で、忍者たちの戦いと並行して恋愛要素も描かれるため、個人的には少し退屈に感じる部分もありました。物語の中心にある秀吉暗殺の計画や忍者同士の対立をもっと見たかったです。

 映像については、画面全体がかなり暗く感じました。忍者たちが集団で戦う場面や摩利洞玄との戦闘など、物語の見せ場になる場面でも暗い映像が続くため、誰がどこで何をしているのか把握しづらいところがあります。忍者同士の動きを見せる場面だけに、もう少し画面が見やすければ戦闘シーンを楽しめたと思います。

 その一方で、最後の重蔵の選択は印象に残りました。重蔵は長い間、秀吉を殺すために行動してきましたが、今井宗久の利益のために秀吉を殺し、その結果として再び戦乱の世を作ることになる状況を前に、秀吉を殺さずに立ち去ります。

 ここで、それまで秀吉暗殺へ向かっていた物語の流れが変わります。秀吉を殺すことだけを目的にしてきた重蔵が、最後には暗殺を実行せず、小萩とともに木さるや雲太郎の待つ場所へ向かう。この結末は、忍者として与えられた任務を果たすことよりも、その先の生き方を選ぶ展開として印象に残りました。

 忍者同士の戦闘を期待すると暗い映像が気になる作品ですが、戦乱が終わった時代に忍者がどのように生きるのかという設定と、秀吉暗殺をめぐって伊賀と甲賀の忍者が入り乱れる展開は興味深かったです。

☆☆☆

鑑賞日:2026/08/25 U-NEXT

監督工藤栄一 
脚色池田一朗 
原作司馬遼太郎 
出演大友柳太朗 
大木実 
高千穂ひづる 
本間千代子 
河原崎長一郎 
立川さゆり 
原健策 
河野秋武 
織田政雄 
菅貫太郎 
戸上城太郎 
松浦築枝 
中村錦司 
三島雅夫 
阿部九洲男 
矢奈木邦二郎 
花澤徳衛 
近江雄二郎 
阿波地大輔 
立花雄吉 
南方英二 
藤原勝 
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