●こんなお話
高校生が連続殺人鬼に襲われる話。
●感想
深夜、自宅で一人過ごしていた18歳の少女ドリュー・デッカーのもとへ、不気味な電話がかかってくる。「好きなホラー映画は何だ?」と問いかけてくる相手は、次第に態度をエスカレートさせ、ドリューを恐怖へ追い込んでいく。電話の主は白いマスクを被った殺人鬼であり、『スクリーム』をそのまま茶化したような展開の中、ドリューは家から飛び出して必死に逃走する。しかし途中で服を引き裂かれ、胸のシリコンを刺されるなど悪趣味なギャグを交えながら追い詰められていく。最後は道路へ飛び出したところを車にはねられて死亡するが、その車を運転していた父親は助手席の母親は娘に気づいていないという。
翌日、高校ではドリュー殺害事件が大きな話題となる。主人公シンディ・キャンベルは、恋人ボビー、友人ブレンダ、レイ、グレッグ、バフィたちと普段通り学校生活を送っているが、彼らには誰にも知られてはいけない秘密があった。1年前のハロウィンの夜、6人は車で通行人を轢き逃げしており、そのまま海へ死体を捨てていた。しかも実際には男はまだ生きていたが、誰も確認せずに処理していた。
その後、シンディたちのもとへ「去年のお前たちの行いを知っている」という脅迫が届き始める。シンディは恐怖を感じながらも平静を装うが、周囲では白マスクの殺人鬼が頻繁に現れ始める。ニュースキャスターのゲイル・ヘイルストームは事件をセンセーショナルに報道し、取材のためなら手段を選ばない姿勢を見せる。彼女は保安官の息子ドゥーフィーへ接近するが、ドゥーフィーは知能が低い人物を装っており、周囲からまともに扱われていない。
シンディの家には殺人鬼が侵入し、彼女を襲撃する。現場の状況からボビーが犯人扱いされ逮捕されるが、翌日には釈放される。学校では次々と犠牲者が出るものの、生徒たちはどこか危機感が薄く、ギャグとして消費されていく。グレッグは体育館付近で殺害されるが、周囲は大騒ぎするどころか軽いノリで反応して終わる。
さらにバフィは美人コンテスト中に襲われる。彼女はホラー映画の金髪美女のテンプレートを誇張したようなリアクションを続け、最終的に首を切断される。しかし切断された頭がなお喋り続けるというブラックギャグになっている。
ブレンダは映画館で『恋におちたシェイクスピア』を鑑賞中に騒ぎ続ける。周囲の観客たちは殺人鬼よりもブレンダに怒りを募らせており、最終的には観客全員で彼女を滅多刺しにしてしまう。ホラー映画よりも映画館マナーへの怒りを優先する展開が延々と描かれる。
その後もシンディたちは互いを疑い始め、疑心暗鬼に陥っていく。レイも一度は死亡したように見えるが、生死が曖昧なまま物語は進行する。シンディは安全確保のため自宅でパーティーを開催し、大勢で集まれば殺人鬼も手出しできないと考える。
パーティーの最中、シンディはボビーと関係を持つが、その直後にボビーが刺される。混乱するシンディの前にブレンダの兄ショーティが現れ、「みんな殺された」と叫ぶ。しかし突然ボビーが起き上がり、ショーティを銃撃する。刺されたのは演技だったと明かされ、ボビーはシンディへ本性を見せる。
さらにそこへレイも現れ、2人は共犯者だったと告白する。彼らはホラー映画の展開そのものをネタにしながら、「ホラー映画なんて筋が通らなくても成立する」とメタ発言を繰り返す。彼らはシンディの家族まで巻き込んで罪を着せようとしていた。
ところがその直後、本物のゴーストフェイスが登場し、レイを刺してしまう。つまりボビーとレイは模倣犯のような存在であり、真犯人は別にいたことが発覚する。シンディは混乱しながらも反撃し、『マトリックス』を真似したスローモーションアクションで殺人鬼と戦う。犯人を窓から突き落とすが、死体は消えていた。
警察署でシンディと保安官は事件を整理し、『ユージュアル・サスペクツ』風の演出で真相へ辿り着く。真犯人は、知的障害者のような振る舞いをしていたドゥーフィーだった。彼はすべて演技だったことを明かし、普通に話し始める。ゲイルと共に車へ乗り込み、そのまま逃走する姿は『ユージュアル・サスペクツ』そのものを露骨に真似したオチになっている。
シンディはその事実に絶叫するが、直後に車にはね飛ばされる。エンドロールではショーティが登場し、「続編で生き残る方法」を視聴者へ語りかけるギャグでおしまい。
『スクリーム』や『ラストサマー』を中心に、90年代ホラー映画を片っ端から茶化していく勢いが凄まじい作品でした。ホラー映画好きなら「あの場面だ」とすぐわかるネタが大量に登場し、それを下品な方向へ思い切り崩していくため、刺さる人にはかなり笑える内容になっていたと思います。
特に映画館のシーンは個人的にかなり好きでした。上映中に延々とうるさいブレンダへ観客全員が怒りを募らせ、最終的に殺人鬼そっちのけで観客がブレンダを刺し始める流れは、ホラー映画というより迷惑客への鬱憤を爆発させるギャグになっていて笑ってしまいました。映画好きほど共感しやすい場面だったと思います。
また、単なるギャグ映画かと思いきや、意外と犯人当てとして機能しているのも面白かったです。ボビーとレイが犯人だと思わせておきながら、更にその上に真犯人がいるという二段構えになっていて、ラストのドゥーフィー正体発覚まで予想できませんでした。完全にふざけた映画なのに、一応ミステリーとして成立させようとしている部分に妙な頑張りを感じました。
一方で、ギャグの当たり外れはかなり激しかったです。笑える場面では強烈に笑えるのですが、下ネタや悪趣味なネタが延々と続く場面では、こちらも無表情になってしまう瞬間がありました。テンポ重視でどんどんネタを投げ込むタイプの映画なので、ハマらないギャグが続くと少し置いていかれる感覚もありました。
それでも90分弱という短さのおかげで勢いが最後まで続き、ホラー映画のパロディを浴びるように楽しめる作品になっていたと思います。『スクリーム』をはじめとした90年代ホラーを知っているほど面白さが増していく映画であり、当時のホラーブームそのものを悪ノリ全開で映像化したような1作でした。
☆☆☆
鑑賞日:2026/06/02 U-NEXT
| 監督 | キーナン・アイボリー |
|---|---|
| 脚本 | ショーン・ウェイアンズ |
| マーロン・ウェイアンズ | |
| バディ・ジョンソン | |
| フィル・ボーマン | |
| ジェイソン・フリードバーグ | |
| アーロン・セルツァー |
| 出演 | ジョン・エイブラハムズ |
|---|---|
| カーメン・エレクトラ | |
| シャノン・エリザベス | |
| アンナ・ファリス | |
| カート・フラー | |
| レジーナ・ホール | |
| ダン・ジョフレ | |
| デイヴィッド・エル・ランダー | |
| ロシリン・ムンロ | |
| シェリ・オテリ | |
| デイヴ・シェリダン | |
| マーロン・ウェイアンズ | |
| ショーン・ウェイアンズ |


