映画【新・13日の金曜日】感想(ネタバレ):マスクの殺人鬼の正体と復讐劇。

Friday the 13th Part 5 A New Begining
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●こんなお話

 病院と周囲にジェイソンが現れて虐殺していく話。

●感想

 幼少期にジェイソンを倒した経験を持つトミー・ジャービスが青年となり、精神的な不安定さを抱えたまま療養施設へ送られる。

 トミーは過去の事件の記憶に苦しみ、悪夢の中でジェイソンの姿を何度も見る状態が続いている。彼は森林に囲まれた更生施設パインハーストに入所し、問題を抱えた若者たちと共同生活を送ることになるが、環境に馴染めず孤立気味のまま日々を過ごしていく。

 ある日、施設内で粗暴な青年ヴィクターが、チョコレートを食べながら騒音を立て続けるジョーイに激怒し、斧で彼を何度も叩きつけて殺害する事件が発生する。この事件により警察が駆けつけ、ヴィクターはその場で拘束されて連行されるが、この出来事を境に周辺で不可解な殺人が連続して起こり始める。

 森の中では車内で過ごしていた男女が何者かに襲われて殺され、病院と揉めている近隣の住人親子やトラック運転手も次々と命を落としていく。犯人はホッケーマスクを着用し、チェーンソーやナタなどを使って無差別に人々を襲撃していくため、まるでジェイソン・ボーヒーズが復活したかのように見える。

 やがてその魔の手は施設内にも及び、職員や入所者が次々と殺害される。混乱が広がる中で、生き残ったトミー、施設の指導員パム、少年レジーは逃走を図るが、執拗に追跡してくるマスクの殺人鬼に追い詰められていく。納屋へと逃げ込んだ三人は、そこで殺人鬼と対峙することになり、レジーがトラクターで突進するなどの抵抗を見せる中、激しい攻防が展開される。

 最終的に殺人鬼は二階から転落し、下にあった釘付きの農具に身体を貫かれて動かなくなる。マスクを外すと、その正体はジェイソンではなく、救急隊員ロイ・バーンズであることが明らかになる。彼は冒頭で殺されたジョーイの父親であり、息子の死への復讐としてジェイソンに扮し、関係者や周囲の人間を次々と殺害していた。

 事件は収束したかに見えるが、トミーの精神状態は回復しておらず、ラストでは彼がジェイソンのマスクを手にして鏡の前に立つ姿や、眠るパムに対して襲いかかろうとするような行動が描かれておしまい。


 ジェイソンの正体に関する仕掛けが本作の大きな特徴で、最後に明かされる真相は意外性のある展開でした。冒頭で死亡したジョーイの父親であるロイが犯人であったという構造は、遺体を見つめる描写などを思い返すことで理解が深まる作りになっており、後から気づく要素として興味深かったです。

 一方で、殺害シーンは数が非常に多く、基本的には背後から突然襲われる展開の繰り返しが中心となるため、全体のリズムは単調に感じる部分もありました。同じパターンが続くことで緊張感が薄れる瞬間もあり、もう少し変化があれば印象が変わったようにも思います。

 少年レジーの活躍は印象的で、トラクターを運転して突進したり、体当たりで敵を突き落とすなど、予想外の行動で状況を打開していく場面には思わず目を引かれました。小柄な少年が思い切った行動に出ることで、作品全体に独特のアクセントが加わっていたと感じます。

 トミーの精神的な揺らぎも物語の軸として機能しており、単なるスラッシャー映画にとどまらず、内面の不安やトラウマを抱えた人物像が描かれている点は興味深い部分でした。ラストの不穏な描写も含めて、シリーズの流れの中で異色の立ち位置にある作品として印象に残る1作でした。

☆☆

鑑賞日:2026/04/25 U-NEXT

監督ダニー・スタインマン 
脚本マーティン・キトローザー 
デイヴィッド・コーエン 
ダニー・スタインマン 
出演ジョン・シェパード 
シャバー・ロス 
メラニー・キナマン 
リチャード・ヤング 
バーノン・ワシントン 
ジェリー・パブロン 
ディック・ウィアンド 
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