映画【リトル・マーメイド(2023)】感想(ネタバレ):人魚姫の選択と愛の物語

THE LITTLE MERMAID
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●こんなお話

 海の王女と地上の王子が恋愛に発展していく話。

●感想

 海の底の王国に暮らす人魚姫アリエルは、父であるトリトン王の言いつけを破りながら、人間の世界に強い憧れを抱いていた。親友のフランダーやセバスチャンと共に沈没船を探検し、人間の道具を集めては夢を膨らませる日々を過ごしていた。

 ある嵐の夜、海上で難破した王子エリックの船を目撃したアリエルは、彼を救い出して浜辺まで運ぶ。歌声で彼の心を掴み、自分もまた彼に惹かれていくが、人間との関わりを禁じる父の意志とは真っ向から対立することになる。そんな心の隙間に近づいてきたのが海の魔女アースラ。アースラは「声を差し出せば人間の姿を与える」と誘惑し、アリエルは禁断の契約に応じてしまう。

 声を失った代わりに足を得たアリエルは人間の世界へと向かい、エリックの城に身を寄せる。言葉を交わせない中でも二人は次第に心を通わせていくが、契約には「三日以内にエリックから真実の愛のキスを得なければ、アリエルはアースラのものとなる」という厳しい条件があった。エリックは浜辺で耳にした歌声の記憶を追い求め、目の前にいるアリエルがその娘だと気づけないままでいる。

 その隙を突いて、アースラは人間の娘に姿を変え、アリエルの声を使ってエリックを惑わせる。結婚式までこぎつけるものの、フランダーやスカットルの活躍によって正体が暴かれ、アリエルは声を取り戻す。怒りをあらわにしたアースラは巨大な怪物と化し、嵐の海でアリエルとエリックを追い詰めるが、最後はエリックが沈没船を操って船首を突き刺し、アースラを打ち倒す。こうして海と陸を隔てる壁は取り払われ、トリトン王も娘の選択を受け入れ、アリエルとエリックは結ばれておしまい。  

 楽曲の力が非常に大きく、特に「アンダー・ザ・シー」が流れる場面は、音楽の楽しさそのものが映像に溶け込み、無条件で高揚感を覚える瞬間でした。物語は異なる世界に生きる二人が数々の障害を乗り越えて結ばれる王道の展開であり、観客に安心感を与えるものであったと思います。アリエルが人間の世界に行ってカルチャーギャップを受けるくだりとかも楽しく見ることができました。

 一方で、物語の背景には君主制を前提とした価値観が描かれており、そこに違和感を覚える方もいるかもしれません。しかし、古典的なメルヘンを基にしたファンタジー作品として、愛と勇気を描き出した世界観には強い魅力があったと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2025/08/31 Disney+

監督ロブ・マーシャル 
脚本デヴィッド・マギー 
出演ハリー・ベイリー 
メリッサ・マッカーシー 
ジョナ・ハウアー=キング 
ハビエル・バルデム 
ノーマ・ドゥメズウェニ 
出演(声)ダヴィード・ディグス 
オークワフィナ 
ジェイコブ・トレンブレイ 
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