●こんなお話
湿地帯の離島でドラッグを食べたワニが巨大化して襲ってくる話。
●感想
舞台はアメリカ・フロリダの湿地帯。物語は離島で売人と警官の攻防から始まる。そこに突如現れた巨大なワニが、売人のドラッグを食べ、さらに若い警官を襲う。ワニは通常の動物とは異なり、ドラッグによって異常な行動を見せる存在として描かれていく。
その後、元警官の主人公が町に戻り、父親や旧友と再会を果たす。一方、町長はフェスティバル開催を前に、ワニ退治のために民間ハンターを雇う。ハンターたちはドローンを用いて巨大ワニの行方を追うが、その異様な大きさに戦慄し、次々に襲われてしまう。
ワニは若者たちの集まる場所に出現し、電波塔を倒壊させ、通信手段を断絶させる。町長は自ら銃を持ち、ドラッグでワニをおびき出し戦うが、逆に捕食される。主人公たちは売人の元に潜入し、製造工場の場所を突き止めようとするが、正体がバレて危機に陥る。そこへ再びワニが登場し、混乱の中で主人公たちは脱出する。
最終決戦では、工場から麻薬のにおいを外に出し、ワニをおびき寄せて攻撃。銃撃とRPGで迎え撃ち、ついに撃退する。街ではフェスティバルが無事開催されるが、死体を見に行ったハンターがワニの脱皮を発見し、再び不穏な空気が流れる。
フェスティバル会場に再び現れたワニに父親が応戦するも敗れ、主人公が囮となってボートでワニを誘導。仲間たちが砲撃を仕掛け、最後は見事ワニを爆破することで物語が締めくくられる。
本作は、巨大なワニが湿地帯を暴れまわる映像が非常に迫力があり、昼間のシーンでもその緊張感を損なわずに描かれていた点に感心しました。CGの質も高く、低予算にありがちな安っぽさを感じさせない作りで、とても見応えがあったと感じます。
一方で、物語の中盤では何度も同じバーが舞台となっており、会話劇が繰り返される構成がやや単調に感じられる場面もありました。特に、町長が急に激怒して自動小銃を手に戦闘を始める展開や、ビンタ大会に主人公が参加するという流れには驚きましたが、そうした突拍子もない描写も本作の持つ独特のテンションで楽しむことができたように思います。
また、電波塔の倒壊によって町全体の通信が途絶する描写からは、現代社会における情報インフラの脆弱さも垣間見え、考えさせられる1作で。アニマルパニック映画としては、笑いと恐怖がバランス良く盛り込まれており、エンタメとしてとても満足度の高い一本だったと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2025/07/15 Amazonプライム・ビデオ
監督 | クリストファー・レイ |
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脚本 | ローレン・プリチャード |
ジョー・ロシェ |
出演 | ラロン・マルゼット |
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レイ・アセヴェド | |
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