●こんなお話
アメリカ大統領とイギリス首相がテロ事件に巻き込まれて危機を突破していく話。
●感想
スペインで行われる有名なトマト祭り。その賑わいの裏で、イギリスの諜報機関があるミッションを進めていた。表向きは祭りの取材という建前で、実際には西側の諜報システムを狙う敵を探し出そうとしていた。しかし、その目論見はあっさりと見破られ、逆に敵の巧妙な罠にかかってしまう。仲間たちは次々に倒され、ついには重要機密が敵の手に渡ってしまう。
イギリス首相とアメリカ大統領による会談が開かれる。両者の関係は極めて険悪で、記者会見でも舌戦を繰り広げる始末。しかし、表向きの友好関係を示すため、2人は一緒にエアフォースワンに搭乗することになる。
空の旅は穏やかでは済まされなかった。テロリストがエアフォースワンを急襲し、ミサイル攻撃によって機体は大きな損傷を受ける。操縦システムも破壊され、墜落が避けられない状況となる中、護衛官の判断で首脳たちはパラシュートでベラルーシ上空から脱出する。機体はそのまま大地に沈んでいく。
地上に降り立った一行は、現地のチンピラとのトラブルに巻き込まれながらも、親切な老婦人の協力を得てポーランドへ向かう。避難先として訪れたCIAの隠れ家では、思いがけず激しい銃撃戦に巻き込まれる。そんな混乱の中、冒頭で消息を絶ったと思われたイギリスの諜報員が再び登場し、彼らと合流する。
調査が進むにつれ、西側諸国の情報がすでに各勢力に漏洩していたことが明らかになり、各国はNATOからの脱退を検討するという不穏な動きを見せはじめる。そんな中、テロ組織の中でも過激な思想を持つリーダーに危機感を覚えた組織のコンピューター技術者が主人公たちに協力を申し出る。彼の案内で、監視システムに繋がっていないパソコンが置かれた拠点に向かうが、そこにもテロリストたちの魔の手が迫っていた。
激戦の末、イギリス首相がロケットランチャーによって行方不明に。アメリカ大統領とイギリスの諜報員は、敵の内通者を暴露すべく動くが、直後に内通者の部下たちに捕らえられそうになる。そこにテロリストまでもが乱入し、三者入り乱れる乱戦となる。激しいカーチェイスが続くなか、絶体絶命の危機に陥った主人公たちの前に、復活したイギリス首相が現れ、見事な立ち回りで敵を撃退する。
クライマックスでは、NATOの会議に乗り込んで内通者の存在を明かす一方、テロリストのリーダーが襲撃を仕掛けてくる。緊迫した銃撃戦の末、ヘリで逃亡を図るリーダーを追い詰め、天使像をヘリにぶつけて撃墜。敵を仕留め、混乱の渦にあった国際社会を救う。
最初から最後まで息もつかせぬ展開が続き、軽快なアクションとユーモアの絶妙なバランスがとられていて、とても楽しく観ることができました。特に銃撃戦や爆破シーンには迫力があり、アクション映画としての見応えは十分だったと感じます。
エアフォースワンでの航空機の兵器同士の応酬や、CIAの拠点で意外な戦闘力を見せるコンピューター技術者など、登場人物たちのギャップも魅力的でした。アクションの最中に挟まれるちょっとしたコメディ的なやり取りも、観ていて飽きることがなく、作品全体のテンポの良さに繋がっていたと思います。
また、イギリス首相とアメリカ大統領の不仲ながらも助け合うバディムービー的な構図も、王道ながら安定した面白さがありました。異なる立場にある2人が協力していく過程を描くことで、単なるアクションではなく、人間関係のドラマとしても楽しむことができたように思います。
主人公3人組の掛け合いや、役割の違いによる連携の見せ方などもよく練られており、最後まで退屈せずに鑑賞できました。王道のハリウッドアクションに、少しの風刺やユーモアが加わった作品として、満足度の高い一本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2025/07/11 Amazonプライム・ビデオ
監督 | イルヤ・ナイシュラー |
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脚本 | ジョシュ・アッペルバウム |
アンドレ・ネメック |
出演 | ジョン・シナ |
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イドリス・エルバ | |
プリヤンカー・チョープラー | |
ジャック・クエイド | |
パディ・コンシダイン | |
スティーヴン・ルート | |
カーラ・グギーノ |