映画【ザ・マジックアワー】感想(ネタバレ):デラ富樫を探せ!嘘から始まる“映画ごっこ”が現実を巻き込む爆笑サスペンス

The Magic Hour
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●こんなお話

 ギャングに殺されそうなクラブの支配人が売れない役者を殺し屋として紹介してみんなを騙そうとする話。

●感想

 主人公はクラブの支配人。ある日、クラブでギャングのボスの愛人と密会していたところをギャングに襲撃され、ボコボコにされて海にコンクリ詰めで沈められそうになる。命乞いの末、「凄腕の殺し屋・デラ富樫を知っている」と嘘をつき、5日以内に連れてくるよう脅されてしまう。

 主人公はクラブの従業員と共に必死にデラ富樫を探すが、当然見つからない。そこで目をつけたのが、撮影所でくすぶっていた冴えない脇役俳優。主演映画の話を餌に、彼を“デラ富樫役”に仕立て上げる。

 街に戻った俳優は、「カメラはどこ?脚本は?」と戸惑いつつも、CM撮影スタッフの機材を勝手に使い、アドリブでギャング相手に芝居を打つ。なんとその芝居がギャングのボスに気に入られ、手下として信頼を得てしまう。

 交渉の場、銃撃戦、裏切り、そして本物のデラ富樫の登場──。俳優はどんな場面でも演技を続け、周囲はその熱演に振り回されていく。一方、ギャングと警察の癒着により主人公は再びコンクリ詰めの危機に。俳優も殺されかけるが、ようやく「これは芝居じゃない」と悟る。

 物語はラストに向けて怒涛の展開へ。ボスの愛人が助けてくれたことで主人公たちは逃げ出すが、最後の逆転劇を芝居で仕掛けようと映画スタッフを再集結。しかし、芝居に感化されたギャングのボスが「自分も殺せ」と言い出す展開に。愛人はボスと共に生きることを選び、主人公は失恋。

 そこへついに本物のデラ富樫が登場。だが映画の特殊効果(弾着や爆破)で驚かせて撤退させ、なんとも呆気ない形で物語は幕を下ろす。

 ビジュアルの作り込みや、架空と現実が混ざり合う世界観は独特で魅力的。特に、俳優だけが状況を理解しておらず、緊迫した交渉の場でもズレた芝居を続ける様子はとても面白く、笑いを誘いました。

 ただし、終盤の展開──本物の殺し屋が弾着で驚いて逃げるラスト──にはやや冷めてしまい、惜しい印象も残りました。

☆☆☆

鑑賞日:2010/08/29 DVD 2024/11/08 U-NEXT

監督三谷幸喜 
脚本三谷幸喜 
出演佐藤浩市 
妻夫木聡 
深津絵里 
綾瀬はるか 
西田敏行 
小日向文世 
寺島進 
戸田恵子 
伊吹吾郎 
浅野和之 
市村萬次郎 
柳澤愼一 
香川照之 
甲本雅裕 
近藤芳正 
梶原善 
阿南健治 
榎木兵衛 
堀部圭亮 
山本耕史 
市川亀治郎 
市川崑 
中井貴一 
鈴木京香 
谷原章介 
寺脇康文 
天海祐希 
唐沢寿明 
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