映画【ダーク・ハーヴェスト】感想(ネタバレ):村の豊作は怪物次第?断食と人肉と因習が交差するホラー

Dark Harvest
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●こんなお話

 閉ざされた田舎の街でハロウィンの日に現れるクリーチャーを退治する祭りがあって、それの様子の話。

●感想

 ハロウィンの日、村には案山子の怪物が現れ、それを退治すれば村は豊作、倒せなければ凶作になるという独自の風習がある。怪物を倒した者にはヒーローとして車などの豪華な報酬が与えられ、村の若者たちは毎年それを目指して競い合う。今年のハロウィン、主人公の兄が見事怪物を退治して村の英雄となり、車を手に入れて村を出て行く。主人公はそんな兄からの手紙を励みにしつつも、いつまでも「兄の七光り」と見られることに苛立ち、自分もヒーローになろうと意気込んでいた。

 主人公は不良グループを作って他の若者グループと小競り合いを繰り返す。そんな中、両親はハロウィンの日だけは家にいてほしいと懇願。警官から怪物退治の作法を聞かされた若者たちは、空腹の状態で迎えるために断食を始める。

 だが当日、主人公がルールを破って車で怪物の出現場所を走っていたところ、誤って怪物を轢いた可能性が浮上。車を降りて確認した瞬間、案の定怪物に襲われ、仲間たちは頭や胴体を吹き飛ばされていく。逃げ出した仲間は親や他の避難者に助けを求めるが、受け入れてもらえず、次々と襲われてしまう。

 主人公は村を出たいと願うヒロインと行動を共にする。警官や父親が何やら不審な行動をしていることに気づき、パトカーを奪って怪物の出現地に向かう。怪物と対峙した主人公は、着ている服などからその正体が兄であると察する。家に戻り負傷したヒロインを手当てしながら母親に真相を問い詰めるが、母親は拳銃自殺してしまう。

 教会へ向かうと父親が現れ、村には「出てはいけない」「怪物は倒さなければならない」といった数々のルールがあることを語る。教会の外で再び怪物と対峙した主人公は、語りかけようとするが別の若者が発砲し、怪物は瀕死に。怪物は主人公にとどめを刺すよう求め、主人公は銃で兄を撃ち、今年のヒーローとなる。

 だがエンディングで、懸賞の車を使ってヒロインと村を出ようとした瞬間、警官が現れ襲いかかる。主人公は反撃して殺すが、別の大人に不意を突かれて殺されてしまう。ヒロインは逃げ、最後には主人公の父親が怪物化した息子に「皆殺しだ」と宣言しておしまい。

 冒頭から怪物が登場し、それを倒して皆で食べるという衝撃的な文化設定が目を引きます。そこから断食による空腹で何でも貪るようになるというハングリーさの演出が強烈で、人体破壊描写も景気よく描かれていて、ホラーとしての期待にはしっかり応えてくれる内容でした。

 ただ、この伝統がこれまで本当に機能していたのか?というゆるさも感じてしまい、大人たちの管理体制にツッコミたくなる部分も多かったです。設定がユニークなだけに、もう少し世界観のロジックがしっかりしていればさらに楽しめたかもしれなかったです。

☆☆☆

鑑賞日:2023/10/16  Amazonプライム・ビデオ

監督デヴィッド・スレイド
脚本マイケル・ジリオ
原作ノーマン・パートリッジ
出演ケイシー・ライクス
イマリ・クラッチフィールド
ダスティン・シーサマー
アレハンドロ・アカラ
エズラ・バジントン
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