ドラマ【バイオハザード】感想(ネタバレ):ゾンビ、クローン、姉妹の運命

Resident-Evil
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●こんなお話

 ゾンビだらけの世界とその世界になるまえの姉妹とその父親とかの話。

●感想

 2022年、ニューラクーンシティに引っ越してきた父と双子の姉妹。無機質で人工的な街並みの中で、学園生活を送りつつ、父の職場である研究所に何か怪しいことがあると察知した姉妹が、動物虐待の疑いで忍び込もうとしたりする。一方、物語は14年後のゾンビに支配された終末世界と交互に描かれていく。

 父は製薬会社アンブレラで新薬の開発に関わっているが、その裏で死亡事故やゾンビ犬の存在が明らかになり、さらには父自身がクローンであり、姉妹の血液が生き延びるために必要だった、という衝撃的な真実も浮かび上がる。それを知った姉妹の父に対する気持ちが揺れ動いていく様子が描かれる。

 未来パートでは、主人公がゾンビや巨大クリーチャーに襲われたり、敵対勢力に追われたりと、常に何かが起こっているハイテンポな展開で、エピソードごとに変化がある点は良かったと思います。CGのクオリティも高く、巨大グモやワニなどのクリーチャーにも迫力があり、ビジュアル面では見ごたえがありました。特にランス・レディックが演じた複数のクローンたちの演技は面白く、陽気なタイプのクローンという新鮮なキャラクターも印象的。

 ただし、ストーリーやキャラクターに強い魅力があまり感じられなかったのが残念でした。未来の主人公は、関わった人たちが次々と死んでいくような存在で、まるで死神のように見えてしまいます。例えば、アンブレラの追手や逃亡中に出会った他の人物たちがことごとく犠牲になり、主人公だけが助かるという展開が続くと、感情移入が難しかったです。

 また、研究所でゾンビを使った危険な実験をしているのも非現実的で、結局拘束が外れて仲間が殺されるといった「そりゃそうなるよね」という場面も多く、物語の説得力が弱く感じたり。過去パートも基本的に姉妹や父とのケンカがメインで、知らない家庭の内輪もめをずっと見せられているような感覚になりました。

 それに、アンブレラの巨大企業としてのセキュリティが甘すぎたり、自宅で謎解きのような展開になったりと、場面ごとにツッコミどころが多くて緊張感が持続しなかったです。サスペンスやSFとしてのリアリティや緻密な構成を期待していた分、肩透かしを感じるところが多かったり。

 過去と未来を交互に描く構成自体はテンポを生む工夫として面白いのだが、行き来が頻繁すぎて脈絡がわかりづらく、感情や物語のつながりが曖昧になってしまっていたと思います。構成としての仕掛けがあるなら、それが効果的に活きていないと感じました。

 とはいえ、次のシリーズでは日本・秋葉原が舞台になるようで、そこには期待で。映像と設定には魅力があるので、次作での物語のブラッシュアップに期待がかかる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/07/22 NETFLIX

監督ブロンウェン・ヒューズ
脚本アンドリュー・ダブ
出演ランス・レディック
エラ・バリンスカ
タマラ・スマート
アデライン・ルドルフ
シエナ・アグドン
パオラ・ヌニェス
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