映画【ナイトメア・アリー】感想(ネタバレ)

Nightmare-Alley
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●こんなお話

 見世物興行に流れ着いた男が読唇術を勉強して成功するけど、富裕層に霊感商法してバレるのかバレないのかの話。

●感想

 主人公が床下に死体みたいなのを置いて家を燃やして燃える家から離れている。バスに乗って立ち寄った見世物興行にふらふらと入っていって、ギーグと呼ばれる獣人を見たりして裏側に迷い込むとそこで日雇いの仕事をすることに。

 そこから見世物興行の舞台裏、お仕事ムービー的な面白さで見せていって楽しかったです。電気を体に通す女性と仲良くなってもっとよくする仕掛けを考案発明したり、獣人の正体を興行主に教えてもらったり。さらには占いとか読唇術をやる男女と仲良くなって、その方法を教えてもらう。彼のメモを好奇心で覗いたりしながら、幽霊ものはやってはいけないと忠告をうけたり。そして「お酒と毒物を間違えるなよ」という前半の説明があったうえでのお酒を師匠に渡して…。

 電気を通す女性と恋に落ちて駆け落ちする。そして2年後、女性と一緒に富裕層相手に降霊術みたいなのをやっていてみんな信じてびっくり。精神科の博士から見抜かれそうになってピンチになったりしっつつ、博士と親しくなって富裕層の患者の情報を教えてくれと条件を持ちかけて事前に客の個人情報を入手して、それでお客さんを信じさせるという。

 そして判事の降霊術を成功させて判事の友人をやってほしいとのことで、何とか博士のオフィスから勝手に個人情報を入手して、主人公を怪しみうそ発見器にかける富裕層を相手にする。信じさせた主人公は亡くなった愛する人と会いたいということで、「金払ってるんだから彼女に会わせろ」とのことで、恋人が顔に似ているからということで紛争させて遠めから見せるというクライマックス。

 ここから一気に始まる主人公のバイオレンスな転落劇。殺人を2件犯して、博士のもとに助けを求めるけど、博士も主人公を騙していて殺されそうになって殺しそうになったりして逃走して浮浪者となって見世物興行へ戻って、新しい興行主にギーグの話をされて…。という。

 豪華ハリウッドスター競演で雨の見世物興行や後半の富裕層相手にした世界などの照明や美術が絢爛豪華で見ているだけで多幸感に浸れる映像美でした。まさに映画を見ている気持ちにさせてくれる作り込まれた世界を愛でることができるのがよかったです。

 けれども主人公はふらりとバスの終点にやってきて、たまたま見世物興行で働くことになって…となっていきますが、何を考えてるのかが終始わからず。父親との関係が過去に何かあったらしいというのが描写されて、主人公は恋に生きたいのかお金や名声が欲しいのか、どこに向かっているのかがわかりにくかったです。

 2年後になったらいきなり恋人に仕事が失敗したら責めたりしてちょっとDV気質の男に変貌していたりするのとかも、その変貌っぷりに戸惑いました。それでいて父親や読唇術の師匠を殺していて、そういうサイコパスなのかどうなのかとか主人公の気持ちや背景がわかりにくくて入り込めない主人公でした。それにケイト・ブランシェットも実はこうでしたという終わり方も、正直、会話が難しくて目的とか立ち位置がわかりにくく、何がしたいのかとかついていけない展開でした。

 とはいえ、アメリカ人ってのは父や母にみんな問題があって、そこらへんをつっつけばみんなそれなりに信じてしまうのかというアメリカの家庭事情が気になる1本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/04/06 シネマサンシャイン平和島

監督ギレルモ・デル・トロ 
脚本ギレルモ・デル・トロ 
キム・モーガン 
原作ウィリアム・リンゼイ・グレシャム 
出演ブラッドリー・クーパー 
ケイト・ブランシェット 
トニ・コレット 
ウィレム・デフォー 
リチャード・ジェンキンス 
ルーニー・マーラ 
ロン・パールマン 
デヴィッド・ストラザーン 
メアリー・スティーンバージェン 
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