映画【劇場】感想(ネタバレ)

gekijyo
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●こんなお話

 彼女の優しさに依存するコンプレックスだらけ男の話。

●感想

 こういった彼女の家に転がり込んでダラダラする系の映画は主人公に感情移入しにくくイライラしてしまうものですが、これもなかなかのクズっぷりの主人公でした。そこにヒロインがひたすら盲信的に主人公を包み込むヒロイン。

 主人公は劇団をやっていて、彼女の部屋に転がり込んで働きもせず生活費も出さず、彼女が知らない人と喋ると嫉妬して、イーストウッドを褒めても嫉妬してという恐ろしいコンプレックス、ナルシシズムで見ているこちらを引かせてくれるキャラクター。

 この映画の肝は、やはりヒロインの方が変化していく物語で真の主人公ですが、松岡茉優さんの凄さが際立つ作品で松岡茉優さんじゃなかったらと考えると恐ろしい作品だったと思います。単純に盲目的にダメ男を好きになってしまうのかと思いきや、ちゃんと理解していてというのが行動言動でほんの少し垣間見えるのもよかったです。

 主人公のモノローグが多用されて説明的かなと思いきや、この独白も又吉さん原作の力か独特の言い回しで聞き入ってしまって映画的な演出だったと思います。

 ただ個人的好みとして1組のカップルが好きになった別れそうになったとかをひたすら140分近い時間見てもこれといって興味がわかないという元も子もないストーリーでした。そこに下北とかなんとなく知っている土地勘が映像として出てくるのでそういった点で楽しめるところもありました。

 そしてタイトルの意味がわかるラストとかも劇場で見ないと面白さ半減の映画だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2020/07/20 ユーロスペース

監督行定勲 
脚本蓬莱竜太 
原作又吉直樹
出演山崎賢人 
松岡茉優 
寛一郎 
伊藤沙莉 
上川周作 
大友律 
井口理
三浦誠己 
浅香航大 
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