映画【花まんま】感想(ネタバレ):鈴木亮平×有村架純の兄妹物語

Hana Manma
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●こんなお話

 妹を頑張って育てた主人公が妹に秘密があって、結婚が決まってその秘密と決着をつける話。

●感想

 大阪の下町。幼い頃に両親を亡くした兄・加藤俊樹(鈴木亮平)は、父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に刻み込み、妹・フミ子(有村架純)を親代わりとして育ててきた。夢の中でも両親からその約束を強く言い聞かされ、兄はその言葉を背負いながら日々を生きている。

 やがて成長したフミ子は大学職員として穏やかな日々を送り、結婚も決まる。兄としては「ようやく肩の荷が下りる」と安堵し、妹の晴れの日を迎えようとするのだが、その裏側で封じられていたはずの“秘密”が静かに姿を現し始める。

 フミ子には、自分のものではない記憶があった。彼女が思い出すのは、刺殺されたバスガイドの断片的な記憶である。幼い頃、兄妹はその遺族を訪ね、食欲をなくした父親に思い出の「花まんま」を差し出す。遺族はフミ子に娘の面影を重ね、深く感謝する。その出来事をきっかけに、フミ子は兄に隠れて遺族との交流を続けていたことが明らかになる。俊樹は最初こそ強く拒絶するものの、やがて友人の助言や気持ちを理解し、遺族を結婚式に招待する決意を固める。

 結婚式当日。スマホの充電が切れるというトラブルや、バナナが道を塞ぐなどの出来事が重なり、式に間に合うのかどうかという一幕もある。それでも最終的にフミ子は無事に会場に到着し、兄と妹、そして遺族を含めた人々が揃って新しい門出を祝う。俊樹のスピーチは笑いと涙にあふれ、普段は不器用で多くを語らない兄の姿が、妹への誇りと感謝に満ちていた。「兄貴は損な役や」と言っていた過去の言葉が、この瞬間には大切な役割に変わっている。俊樹は自分が妹を育てたと思っていたが、実際には多くの人に支えられてきたのだと改めて気づき、深い感謝を口にする。

 その後、フミ子の中にあった“前世の記憶”は消え、かつての遺族のことも思い出せなくなっていた。過去のしがらみから解き放たれた兄妹は、これからそれぞれの人生を歩んでいく。

 兄妹の愛情と記憶の交錯を、昭和の下町の情景や柔らかな関西イントネーションとともに描くことで、作品全体がほのかに幻想的な雰囲気をまとっていました。笑いと涙、そして少しの不思議さが折り重なり、静かに心に沁み込むような体験を与えてくれる映画だったと思います。

 一方で、描写の中には違和感を覚える部分もありました。幼い頃に貧しい生活を送っていたはずの兄妹なのに、遠足や遊園地など多くの写真が残っていて充実した思い出が物理的に残っているのとかのは、やや不自然に感じられました。また、結婚式に間に合うかどうかというサスペンス要素や、スマホの充電切れ、道に転がるバナナといった小ネタは、本当に必要だったのか疑問が残ります。それでも役者たちの真摯な演技や、兄妹の深い絆を描き出す場面は見ごたえがあり、結婚式のスピーチがクライマックスというものが見ものなのはあまり見たことがなかったもので、温かさと切なさをあわせ持つ作品だったと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2025/08/17 Amazonプライム・ビデオ

監督前田哲 
脚本北敬太 
原作朱川湊人
出演鈴木亮平 
有村架純 
鈴鹿央士 
ファーストサマーウイカ 
安藤玉恵 
オール阪神 
オール巨人 
板橋駿谷 
田村塁希 
小野美音 
南琴奈 
馬場園梓 
六角精児 
キムラ緑子 
酒向芳 

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