●こんなお話
住宅街に突然、恐竜が出現し、家族で生き延びながら異変の起きた街から脱出する話。
詳細ネタバレあらすじ
1982年、オークストリートではグレッグ・プラット、妻のデニース、娘のオードリー、息子のブライアン、そして犬のスターバックが暮らしている。デニースは小説を書いており、オードリーは科学に関心を持っている。
ある日、オークストリート周辺で通常とは異なる発光現象が発生する。発光した場所には、それまで存在していなかった植物や物体が現れる。オードリーは、この現象が時間と空間に関係していると考え、ワームホールの可能性を指摘する。
小さな発光現象が繰り返された後、オークストリート一帯を巻き込む大規模な現象が発生する。住宅や道路を含む地域全体が、それまで存在していた場所から別の環境へ移動する。周囲には現代とは異なる植物が広がり、恐竜が姿を現す。
住宅街では住民たちが恐竜に襲われる。恐竜は道路や住宅の間を移動し、人間を追跡する。住民たちは銃やナイフ、住宅にある道具などを使って恐竜に対抗する。
オードリーは、最初に現れた小さな発光現象と、オークストリート全体を移動させた現象が同じものだと考える。その後も住宅街には発光する球状の現象が現れる。オードリーは、それらが異なる時間と場所をつなぐワームホールだと考え、そこを利用すれば元の時代へ戻れる可能性があると説明する。ワームホールが発生した原因については、映画では具体的に説明されない。
プラット一家は、姿を消したスターバックを探すため住宅街を移動する。その途中でオードリーとブライアンは、近所の少女ジーネットを発見する。ジーネットは恐竜に襲われており、二人は彼女を助ける。ジーネットの両親はすでに死亡しており、ジーネットはプラット一家と行動することになる。
住宅街では恐竜による襲撃が続く。家の中にも恐竜が入り込み、住民たちは住宅を移動しながら身を守る。さらに火災も発生し、住民たちは恐竜と火から逃げることになる。
その後、グレッグたちの前に大型の恐竜が現れる。グレッグは家族を逃がすために恐竜へ向かい、ハンマーで攻撃する。しかし恐竜に反撃され、脚を噛まれる。グレッグは倒され、恐竜に食べられて死亡する。
グレッグを失ったデニース、オードリー、ブライアン、ジーネット、スターバックは、住宅街から脱出するために移動する。デニースたちは発光する球状の現象を発見し、その近くにある図書館員ヴァルコートの家へ向かう。
発光する球体は一定時間だけ出現した後に消える。デニースたちは、次に発生したワームホールへ入って元の時間へ戻ろうとする。途中でも恐竜が現れ、一行は襲撃を避けながら移動する。
ジーネットが先にワームホールへ入り、ブライアンも続こうとする。しかしワームホールが閉じ、ブライアンは負傷する。スターバックがブライアンを助け、デニース、オードリー、ブライアン、ジーネット、スターバックは再びワームホールへ向かう。
一行はヴァルコートの家を通り、恐竜の襲撃を避けながら移動する。最終的にデニースたちはワームホールへ入り、1982年の世界へ戻る。
一行が到着したのは、オークストリートが移動する前の時間だった。デニースは時間が異変の発生前に戻っていることを確認する。海外の解説では、最初の異変が起きる約20分前とされている。
デニースはグレッグを救うために電話でピザを注文する。グレッグはピザの配達をしており、注文を受けてオークストリートを離れる。その後、最初の大規模な異変が発生するが、グレッグはすでにオークストリートから離れているため、恐竜のいる環境へ移動することを避ける。
デニースはオークストリートの住民にも異変を知らせる。住民たちは異変が起こる前に避難し、オークストリートでは再び大規模な現象が発生する。
2年後、デニースはオークストリートで起きた出来事を本にまとめる。その本のタイトルは『The End of Oak Street』となる。オードリーはコーネル大学へ進み、カール・セーガンのもとで学ぶ。グレッグ、デニース、オードリー、ブライアン、スターバックも一緒に暮らしている。
さらに、プラット一家はジーネットの家族と一緒に過ごしている。そこには時間移動によって同じ時代に存在することになったジーネットが二人いる場面が描かれておしまい。
●感想
平凡なアメリカ郊外の住宅街を舞台に、そこに暮らしている人たちが突然、恐竜のいる環境へ放り込まれる展開が面白かったです。
特に好きだったのが、恐竜が派手に登場するだけではなく、いつの間にか人間のすぐ近くまで来ていて、登場人物が気づかないまま画面の奥を移動しているような場面です。普通の住宅街の風景に恐竜が混ざっているため、日常と恐竜の世界が同じ画面に存在する感覚が楽しめました。
大蛇の登場も印象に残りました。恐竜だけではなく、巨大な生物が住宅街に現れるため、単純な恐竜映画とは少し違った方向へ展開していきます。住宅の中や道路など、普段なら安全に見える場所にも生物が入り込んでくるところが面白かったです。
隣人や図書館の受付の女性など、プラット一家以外の人物にも異変が次々と起こります。特にアン・ハサウェイが演じる人物が世話になる老婆をめぐる展開は、突然状況が変わる怖さがありました。主人公一家だけではなく、住宅街に暮らすさまざまな人物がそれぞれ異変に巻き込まれていく構成になっています。
こうした展開を見ていると、スティーヴン・キング原作の『ミスト』や『アンダー・ザ・ドーム』を連想しました。普通の生活を送っていた人々が、ある日突然、外部から切り離された特殊な環境に置かれ、その中で生活することになる構造が似ています。ただし、本作ではそこに恐竜と時間移動が加わっているため、かなり変わったSF作品になっています。
ユアン・マクレガーのくだりも驚きました。登場人物の配置だけでなく、物語の途中で人物の扱いが変化するため、事前に詳しい情報を入れずに見たほうが楽しめる部分だと思います。
一方で、子どもたちがスターバックを探すために住宅街の外へ出ていき、そこから危険な状況へ発展していく流れは、「犬を探しに行く」という目的が先にあるため、最初はそれほど大きな出来事になるとは感じにくかったです。
序盤の日常会話についても、後半の展開につながる子ども同士の関係を把握していないと、いじめっ子が突然殴りかかってくる場面などが少し分かりにくく感じました。登場人物が多いうえに、住宅街の複数の人物を並行して描いているため、細かな会話を覚えておく必要があります。
そして、最後の時間移動については、グレッグを救うことができた点だけを見ると状況が変化していますが、ジーネットが二人存在する場面まで含めると、時間移動によって何が起きたのかをすべて明確に説明する作品ではありません。登場人物たちにとって結果的に幸せな状態になったようにも見えますが、時間軸について考えると素直に整理しきれない部分が残ります。
恐竜が突然住宅街に現れるという分かりやすい設定から始まりながら、途中からワームホールや時間移動が絡んでくるため、後半はかなりSF色が強くなります。普通の住宅街、家族の日常、近所付き合いといった身近な要素に、恐竜、巨大な蛇、時間移動を組み合わせたところが本作の面白さだと思いました。
☆☆☆
鑑賞日:2026/08/22 イオンシネマ座間
| 監督 | デヴィッド・ロバート・ミッチェル |
|---|---|
| 脚本 | デヴィッド・ロバート・ミッチェル |
| 製作総指揮 | クリス・ベンダー |
| ジェイク・ワイナー | |
| ジョアン・リー | |
| リーアン・ストーンブレイカー | |
| 製作 | J・J・エイブラムス |
| 出演 | アン・ハサウェイ |
|---|---|
| ユアン・マクレガー | |
| メイジー・ステラ | |
| クリスチャン・コンヴェリー |

