ドラマ【FRINGE/フリンジ ファイナル・シーズン】感想(ネタバレ):オブザーバー支配の未来に挑む最終決戦

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●こんなお話

 主人公たちの娘エッタによって主人公たちは救出される。けどその世界は監視人たちに支配されていて、彼らとの戦いの話。

●感想

 2036年。世界は未来から現れた進化した人類「オブザーバー」に支配されていた。2015年に始まった侵攻によって国家は崩壊し、人類は「ネイティブ」と呼ばれる被支配階級として管理される社会へ変貌していた。空気の成分すら未来世界に適したものへと変更され、人々は監視と統制の中で暮らしていた。

 そんな時代にレジスタンス活動を続けていたヘンリエッタ・ビショップ、通称エッタは、かつて世界を救ってきたフリンジ・チームのメンバーがハーバード大学の研究室に琥珀化された状態で保存されていることを突き止める。エッタはフィリップ・ブロイルズや仲間たちの協力を得て研究施設へ潜入し、ウォルター・ビショップ、ピーター・ビショップ、オリビア・ダナム、アストリッド・ファーンズワースを解放する。

 彼らは目覚めた直後、自分たちが21年後の未来へ来てしまったこと、そして人類が敗北した世界にいることを知る。さらにエッタこそがピーターとオリビアの実の娘であり、侵攻当時の混乱によって生き別れになっていた娘だったことが明かされる。長い年月を経て果たした親子の再会だったが、エッタはすでに戦場で生きるレジスタンスの兵士へ成長していた。

 ウォルターは侵攻前にオブザーバー打倒計画を作り上げていたが、計画を敵に奪われないよう自ら脳の一部を切除して記憶を分散させていた。そのためフリンジ・チームは各地に隠されたビデオテープや研究資料、装置を回収しながら、ウォルターが残した計画を少しずつ復元していく。

 その計画の核心にいたのは、感情を持つ特別なオブザーバーの少年マイケルだった。未来の人類は知性を高めるため感情を捨てて進化した結果、オブザーバーという存在を生み出していた。しかしマイケルは高い知能を持ちながらも感情を失っていない存在だった。

 一方、オブザーバー側の指揮官ウィンドマークはフリンジ・チームを執拗に追い続ける。その戦いの中でエッタは命を落としてしまう。娘を再び失ったピーターは深い絶望に沈み、倒したオブザーバーの脳から摘出した装置を自らの頭部へ埋め込む。

 装置によってピーターは未来予測能力や超人的な反応速度を得るが、その代償として感情を失い始める。口調や行動までもがオブザーバーに近づいていく姿を見たオリビアは、エッタが望んでいたのは復讐ではないと訴え続ける。葛藤の末、ピーターは装置を取り除き、人間として戦う道を選ぶ。

 やがてウォルターたちは計画の重要人物であるドナルドを探し出す。そしてドナルドの正体が、これまで何度もフリンジ・チームを助けてきたオブザーバーのセプテンバーだったことが判明する。さらにマイケルはセプテンバーの実の息子だった。

 セプテンバーは、2167年へマイケルを送り届ければ未来の科学者たちは感情を捨てる必要がないことを理解し、オブザーバー誕生の歴史そのものが変化すると説明する。

 フリンジ・チームは時間移動装置を完成させるため、各地の施設へ潜入し、過去に登場した技術や生物兵器を利用しながら準備を進めていく。しかし完成直前、セプテンバーはウィンドマークによって射殺されてしまう。

 計画を実行するためには誰か一人が2167年へ同行し、マイケルを未来の科学者たちへ引き渡さなければならない。そして時間改変が行われれば、その人物は元の時代へ戻ることはできない。その役目を引き受けたのはウォルターだった。

 ウォルターはピーターへ、自分たちが共に過ごした時間は本来なら存在しなかった奇跡の時間だったと語り、「お前は私の人生で最も大切な存在だった」と涙ながらに告げる。

 最終決戦ではウィンドマーク率いるオブザーバー軍との戦闘が始まる。オリビアは再びコーテキシファン能力を解放し、念動力によって車両や機材を操りながらウィンドマークと激突する。そして壮絶な戦いの末、ウィンドマークを倒すことに成功する。

 その間にウォルターとマイケルは時間ゲートを通過し、2167年へ到着する。その瞬間、オブザーバー侵攻の歴史は消滅し、新しい時間軸が誕生する。

 新たな2015年では、ピーターとオリビアは幼いエッタと共に平和な日常を送っていた。世界に侵攻は起こらず、未来は書き換えられた。そしてある日、ピーターの元へ一通の封筒が届く。中に入っていたのは白いチューリップの絵だった。

 それはウォルターが残した最後のメッセージであり、離れた未来から家族へ向けて送った別れと感謝の証だとわかっておしまい。


 これまでのシーズンと比較すると全13話と短く、さらに物語の中心がオブザーバーとの戦争へ移ったことで、毎回異常事件を捜査していた「フリンジ事件ファイル」のような面白さが薄れてしまったのは少し寂しく感じました。

 これまでのシリーズでは未知の超常現象や科学事件を追いかける楽しさがありましたが、ファイナルシーズンはレジスタンス戦争の色合いが強く、作品全体の雰囲気も大きく変化しています。

 また、圧倒的な科学力と能力を持つオブザーバーに対して、人類側が思いのほか善戦してしまう場面も多く、シリーズを通して積み重ねられてきた彼らの恐ろしさが少し薄れてしまった印象もありました。どちらかといえば本編というより、壮大な後日談や外伝を見ているような感覚に近かったです。

 それでも最終話へ向かうにつれて感情は大きく揺さぶられました。特にウォルターとピーターの親子の別れ、そしてウォルターとアストリッドの静かな会話は涙なしでは見られませんでした。シリーズ開始当初は衝突ばかりだった親子が、最後には深い愛情で結ばれている姿に長年の積み重ねを感じます。

 一方で、主人公であるオリビアの存在感がこれまでより控えめになっていた点は少し惜しく感じました。終盤では活躍の場面も用意されていましたが、シリーズを支えてきた主人公としては、もう少し見せ場があっても良かったと思います。

 それでも長年張り巡らされてきた伏線が回収され、白いチューリップという象徴的なモチーフで物語が締めくくられるラストは見事でした。悲しみと希望が同居する結末は『FRINGE』らしく、五シーズンを追い続けた視聴者へ向けた最高の贈り物だったと思います。

☆☆☆☆

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製作総指揮J・J・エイブラムス
出演者アナ・トーヴ
ジョシュア・ジャクソン
ジョン・ノーブル

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